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そう言った奏の顔は少し寂しそうというよりも
悔しそうにしていたのを僕は感じた。

繋いでいる手の力がほんの少し強くなったのも感じた。

ああ、そんな表情しないで

期待してしまう

勘違いしてしまうから


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自分から聞いといて、少し拗ねたりして
私バカみたいだなって思ってる

でも少しでも、壮五さんの気持ちの中に
その人がいたって知ってしまって

ぎゅーって胸が痛くて…

この突発的にくる症状はなんでしょうか?

早く病名が知りたいです


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人通りの多い場所になったので
どちらからというわけもなく、2人は
静かに手を離した。

「…手が寂しくなっちゃったね。」

「そんな顔しないでくださいよ、壮五さん。ファンの方に見られたら困るからですよ。」

「そうだね……。ここだよ、14時にはお店出る予定にしてるから。」

「わかりました!」

店内にはたくさんのレコード、CDがジャンルごと、アーティスト事に並んでいた。
壮五はお店の常連ともあって、店員さんと仲良さげに話をしていた。

「逢坂さん、これ僕の最近の一押しなんですけど、どう?」

「このアーティストはいいですよね!特にこの時の曲調なんて…。」

「…そうなんですねー!……逢坂さん、今日は御連れさんいるんですね。」

「あ、はい。」

「綺麗な人ですね!彼女…?」

「いっ、いや!その!」

「おっ、彼女なんだーへぇー!」

「……?壮五さん、どうされました?」

「っ、奏っ!この方は僕がここに出入りするようになってからよくお世話になってる店員さんだよ!」

「あ、そうなんですね。いつも逢坂がお世話になっております。私、小鳥遊プロダクションでIDOLiSH7のサブマネージャーとコーチをしております、兆と申します…。」

「あ、彼女じゃないんだ……。」

「へ?かのじょ・・・?」

「あーああああ!ありがとうございました!店内見せてください!……奏行こう……。」

「?????」

少し離れた邦楽コーナーまで奏の背中を押して移動してきた壮五は
少し疲れているようだった。

「壮五さん、大丈夫ですか?」

「…っはぁ…大丈夫…!あ。」

「ん?」

「テウだ……。」

「テウ………。もしかして、壮五さんの好きって言ってたアイドルって…。」

「うん、テウだよ。初めて会った日にも話したっけ?」

「はい…。」

「そう、僕に自信をくれて輝きを分けてくれる人…。」

そういいながら、壮五はテウのCDを丁寧に持って見た。

「本当に歌うことが好きだって、楽しいって、そういつも伝えてくれるようなパフォーマンスだった。」

逢いたかったな…とつぶやいた壮五を見て
奏は少しうつむいた。

「壮五さん…もし、もしですよ?今、テウに逢えたら…。」

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もし、テウに逢えたらなんて伝えますか?

そんなこと聞いてどうするんだろ?

好きですってテウに言うんだろうか?

答えを聞いて傷つくのは自分なのに

なに自傷行為に走ってるんだろうか…

わかったんです、私きっと

壮五さんの事好きだって

だからこんなに苦しいんですね。


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「奏?」

「っ、!いや!なんでもないです!なんでも…。」

「………もし、テウに逢えたら、だったね?」

「え?」

「逢えたら、好きでしたっていうよ。あなたも、あなたのパフォーマンスも…。だから僕も、誰かに自信をつけてもらえるような、輝きを分けてあげられるようなアイドルを今、大切な仲間たちと、大好きな人たちと目指してますって。」

「壮五さん……。」

「……なんで泣いてるの!?」

「かっ、感動してっ…!」

「ほら!この間みたいに目がまた赤くなっちゃうから泣き止んで?ハンカチで拭うから手どけて?」

「はいっ…!」

「ふふっ、今日の奏は、どうしちゃったんだろうね?いろんな奏が見れて僕は嬉しいんだけど。」

「自分でも驚いてますっ!」

「そっか、もしかして…少しテウにやきもち焼いてた?」

「そうかもしれないです。」

「っ…///」

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