ミュージックフェスタに向けて本格的に動き出した小鳥遊事務所では
社長が、新曲を7人に渡した。

「今までとは違う、落ち着いた、心に響かせる曲だ。」

「…本当だ。」

「君たちのハーモニー、君たちの気持ちを合わせることが、肝心になってくる。心を一つにして歌ってくれ。」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

奏は社長から楽譜を受け取り、みんなと一緒にレッスン場へ向かった。

今までのはつらつとしたイメージとは異なる、ゆっくりとしたダンスに
みんな悪戦苦闘だった。

「勢いでごまかせないからな。ひとつひとつ、きちんとやらないと。」

「歌の方も同じです。メロディがおとなしい分、歌唱力で魅せなければ説得力がない。」

一織は陸に、絶対失敗するなと念を押したり
ナギはどうしてもハモリパートでつられかけてしまうようだった。

「あ……。ソウとタマはハモると声がきれいだな。」

「そうですね、伴奏に合わせて歌ってもらっても落ち着いてまとまりますし、どちらかの声がずば抜けて前に出すぎることも引きすぎることもないですね。」

「そーか?やっと相性合うところ発見。」

「本音が出てるよ…。それでよく、僕と2人でデビューなんて言ってたよね。」

「背に腹はかえられない…。」

「その言い種…。」

「あははは…、みなさん頑張りましょう!」

「そうだな、今まで以上に練習して頑張ろう。オレ…2人においていかれたくない。」

「三月さん…。」

「アイドルになるのが、子どもの頃の夢だった。…だけど、今はそれだけじゃない。7人でやっていきたい。おいていかれるのも、置いていくのも嫌だ。」

「……みんな同じ気持ちです。私も精一杯みなさんのパフォーマンスのご希望に添えるように指示していきますね!」

「ありがとうございます。コーチ。日本の女性はビューティフルですね。素敵な言葉をありがとう。」

「ナギさん…。」

「よっしゃ!気合入れて頑張ろうぜ!」

みんなで楽しんでミュージックフェスタをむかえようと、レッスンは始まった。

明日はついに、ミュージックフェスタ当日となった日の夜…

みんな思い思いの事があるのだろうか、三月と大和はレッスン場へ
ナギはゼロアリーナまで
陸は部屋でTRIGGERのライブDVDを見ているようだった。

ほぼ毎日の日課となった
夜のリビングでのホットドリンク会は変わらず、今日も2人で始まっていた。

「今日はまさかのカクテルなんだね。」

「ソノラって言います。スペイン語で音だったり響きだったりするんですけど…ホットドリンクじゃないですね……。」

「いいんじゃないかな?ほろ酔い気分で眠りにつくのも……せっかくだから乾杯しよっか?」

「では、乾杯ですっ!」

「はい、乾杯!………いよいよ明日だね。」

「はい…明日です…。生放送ですよ……私のほうが緊張してしまいます…っ!」

「大丈夫だよ。僕たちはできることを全力でできるグループだから!」

「そうですよね!私は皆さんとスタジオに入る時間はずれちゃうんですけど…ちゃんと袖で見れるように急いで仕事終わらせて向かいますね!」

「気を付けてね?……事務所の仕事多いの?」

「そうですね……紡ちゃんも万理さんも私もフル稼働なんですが、なかなか……でもありがたい悲鳴です!みなさんのためにお仕事できるんですから!」

「そういってもらえると嬉しいな。僕にできることがあったらなんでも言ってね?」

「ありがとうございます。壮五さんもですよ!」

「ふふっ、ありがとう。」

「毎日ここで話してると、どんどんお互いの事知れて楽しいですね。」

「そうだね……。僕ももっと奏の事知っていきたいよ。」

「お仕事…もっと増えたらどんどんこの機会も少なくなるんでしょうか…?」

「……人気が出るのは嬉しいけど、そうなるかもね。」

「……………すみません、辛気臭くなってしまって。」

「ううん、大丈夫だよ。」

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少しでも寂しいって

君が思ってくれているのがわかったよ。

でも君は絶対にそれを口には出さなかった。

だから……

もっとそばにいたいって

思ってしまうんだ…。

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