壮五の部屋に通された奏は、周りをあまりキョロキョロ見ないように
気を付けた。

紫をベースに綺麗な部屋は、整理整頓が趣味な彼らしい部屋だなと奏は笑った。

「やっと笑ってくれた…。じゃあ準備してくるから、待っててね。勝手に本とか見てもいいから。」

「はっ、はいっ!」

あまりの緊張で一歩も動けない奏は、おとなしく自分のスマホを触りながら
待つことにした。

「お待たせ。蒸らしに時間ちょっとかかるけどごめんね。」

「いえっ!……綺麗ですね。」

ガラスでできたティーサーバーの中で花がきれいに踊っていた。

「安眠効果期待できそうだね。」

「そうですね!」

「……よかった、いつも通りの笑顔だ。」

「私っ、そんなに変でしたか!?」

「さっきまで不自然だったよ。自分の事はもう責めなくていいから、ね?」

「………そうですね、ちゃんとみなさんの事信じないと。……壮五さん、ありがとうございました!」

「いいえ!……はい、きれいに淹れれたよ。」

「本当ですね、優しい香りがします。」

いただきますと言いながら2人でジャスミンティーを飲む
他愛もない会話も、今ではないと落ち着かなくなってきた。

「……こんな感じで、環くんとも仲良くできるかな。」

「私と環くんは違いますから。でもきっと大丈夫ですよ。」

いっぱい時間をかけて、デュオって出来ていきますよ
そう伝えると、壮五も笑いながら、そうだねと答えた。

「眠くなってきましたね…お部屋が隣でよかったです。」

「そうだね……じゃあ、おやすみなさい。明日からまた、よろしくね。」

「はいっ!壮五さん!おやすみなさい!」

自室へ帰る奏の背中を、壮五は見送った。

−−−−
−−−
−−


キミの笑顔を、やっと守れた気がした

それだけで、一回りも二回りも成長したようにも感じた

そしてその分、これからキミとの距離が少し離れてしまう気がして
つらかった

僕たち2人の成功で、もしキミとの時間が減ってしまったら…

キミは成功を喜んでくれるだろう…でも僕はさみしいよ…

キミの存在は僕を強くもするし、弱くもする

なんとも不思議な存在だね

それでも僕はキミを求めてしまうんだ

次の日……

社長室に呼ばれたのは奏と
2人だった。

「逢坂壮五くん、四葉環くん。」

「はい。」

「うす。」

「君たちを正式に、小鳥遊プロダクションからデビューさせる。デビュー曲は、先日ミュージックフェスタで7人で歌った歌だ。あの歌はもう7人のものじゃない。君たち2人だけのものだよ。事務員とコーチをしながらになるから、君たちにずっと付きっきりにはなれないが…今日から奏くんが君たちのマネージャーだ。」

「はい。よろしくお願いします。」

「……はい。」

「ボス、お願いがあるんだけど。」

「なんだい?」

「新しいグループ名が欲しい。IDOLiSH7は、7人の俺たちの名前だから。揃ってから名乗りたいから。」

「大丈夫、考えてあるよ。」

社長から渡された2人のグループ名はMEZZO"
2人の声の相性はとても良いから、歌声と一緒に、心も重ねて頑張るようにと渡された。

「みなが歩いていく道を、先に2人が拓いてくれ。」

「「はい!!」」

「じゃあ、奏くん!今からみんなにご褒美をあげるから!準備してくれるかなー?」

「えっええ!?い、いいともー?」

事務所にいる紡は、MEZZO"の売り出し方を一織と相談しているようだった。

そこに、アロハシャツ姿の社長が現れた。

「紡くん、支度してー。」

「社長!?奏さんも外出着に着替えてどうしたんですか?」

「社長がなんか…ご褒美だって…。」

「ご褒美?」

「今日は仕事はお休み!みんなに声をかけておいで。あ、逢坂くんと四葉くんには声かかってるから。」

「「「どこにいくんですか?」」」

そこに社長とペアルックの万理が現れた。

「バーベキューです!」

急いでみんなに伝達をして、大人数での河原バーベキューが始まった。
「わー!川だー!」

「見ればわかるぞ。」

「天気もいいし、最高!夏休みみたいな感じ!」

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