私は高校との両立をしながら仕事をこなす毎日だった。
雑誌には必ずと言っていいほど
私が載っている
非日常な私が、日常に入り込んでいた。
友達も変わらず2人だけ……
なんせ、日常の私は
ギャルメイクなんて仕方もわからない
なんなら興味があるわけでもない
普通の高校生なのだから……
「奏この人知ってる?」
「え?」
「テウだよ!テウ!最近男子の間で、あんたに少し似てるって噂されてたよ!」
「っ!…へ、へえー……。」
そりゃそうじゃん、私だもん…。
「でも違うよね!奏こんなにギャルじゃないし、淫らじゃないし。」
「え?何それ……。」
「知らないの!?割と有名だよ、いろんな男性芸能人狙って落としてるって。」
「やだ、はしたないっていうか……淫乱…?」
「ちょっと!そんな言葉口に出さないでよ!恥ずかしい!はははっ!」
笑えなかった……
そんなことひとつもないのに……
芸能界って本当に怖い
根も葉もない噂が広がる
いつの間にか足どころか
尾びれまでついちゃって……
おかしい……日常の私の事ではないなら
私が苦しむことはないのに……
そうか、いつの間にか
両方とも
日常になっていたんだ……
じゃあ、私がテウであることを2人に伝えたら……?
日常な私の事……
受け入れてくれるのだろうか?
頭がマヒしている…
「奏?どうしたの?大丈夫???」
「……え?」
「最近寝不足?習い事多いって言ってたもんね…。」
「今日は水曜だから……茶道の日?」
「そ……、そうなの!毎日テレビも見れなくて……。」
「じゃあさっきの話、知らなくてもしょうがないよね……。」
「でもRe:valeだけは知ってて!すっごくかっこいいから!でも悔しいのが、あのテウと一緒の事務所なのよねー!」
「え!?そうなの!?モモちゃんたべられちゃう!?」
「そこはユキさんが守ってくれるでしょー!」
「「Re:vale宇宙一の仲良し夫婦だもんねー!」」
キャッキャとはしゃぐ2人……
アイドルなんて、将来性なかったんじゃないのかよ……と心の中で思いながら
でも、どこかで……私がテウでいることで、この2人のようにキャッキャと喜んでくれる人がいるかもしれないと思うと
さっきのデマも少し流せる気がした。
私がテウをやめることになったのは
その1年後……
高校3年生の頃の話……
家に帰ろうと、夜道を歩いていると
後ろを誰かにつけられている気がした………
振り向いても誰もいない。
そんな気味の悪いストーカー被害が
毎日毎日繰り返された。
流石に、両親に話そう……そう思った時だった。
スマホには一通のメッセージが入っていた。
『僕は知っている……キミがテウだって事。』
「っ!?」
返信はしなかったが、既読が付いたことをしめたと思ったのか
メッセージの嵐だった。
『兆奏とテウは同一人物……。知っている……通っている高校も、両親の事も……キミはこの家の子ではないことも知っている……バラまかれたくなければ、警察には言うな…。僕の言うことを聞け。』
意味が分からなかった…
私が兆家の子どもではないという意味の分からない文…
ただのはったりかもしれない
怪文書の可能性もある……
何も気にせず、その日は寝た……
翌日、学校に行くと悲惨な光景だった……
「なに…これ………。」
黒板には大きく
「テウは兆奏。同一人物!」
と書かれて、周りには盗撮された写真。
中には、事務所内で百さんや千さんと遊んだ時のものもあった
遊んだって言っても……ウノだけど…。
でもさすがにまずい……
なんせ、合成なしでもいいくらいに
私は……事務所内では素顔だったから……。
「奏……信じてたのに。あんたが、テウなの?」
「ありえない……この淫乱女!」
「違う!私は!」
「何が違うの!!奏じゃん!週刊誌の記事も本当なの!?」
「だから違うって!」
「隠してたくせに…何が違うの!?卑しいことがあるから隠してたんでしょ!?」
「………違う、私は…っ!」
そこにすたすたと歩いてきたのは
大病院の御曹司だとかいう木村くんだった。
「2人ともやめないか、兆さんと友達だろ?」
「こんなの友達じゃないわよ!」
「兆財閥だかなんだか知らないけど!生意気な……今にFSCに抜かれるわよ!」
「そんな話は今関係ないだろう?……行こう兆さん。落ち着けるところに…。」
私の背中に手を当てて、木村君は私を理科準備室まで連れてきた。
「……大丈夫??」
「うん、ありがとう……。」
「しかし大変だったね……同一人物だとか……。」
「……そうだね。」
こんな時なんて言ったらいいんだろう?
確かに同一人物……ああ、また嘘をついてしまった……。
「そういえば、ストーカー被害にもあってるんだっけ?……本当の兆家の子どもじゃないとか…。」
「………?なんでそのこと知ってるの……?」
「へ?」
「私そのことは……まだ親にも事務所にもはなしてないのに……なんで木村君が知ってるの…?」
「………しまった、僕は君みたいに嘘は嫌いだからね!」
そういって、私の両手首を押さえて、机の上に押し倒してきた。
「っ!痛いってば…っ!離して!」
「……っ!なんで知ってるかって!?僕の家は大病院だよ!?見ちゃったんだよ……君の家族のデータを……。」
「何をっ…っ!?」
「血液型だよ…っ!君は本当はO型なんだよっ…!知ってた!?」
「なんで!?私A型って聞いてるんだけど!」
「君のご両親はともにA型とAB型…!お兄さんはB型だったね…!」
「………O型は生まれない………。」
「そう!でも君はうちの病院のデータではO型だったんだよ!どう思う!?ねえ!?ねえ!??」
プリントされた紙には先ほどの内容が書かれていた
突きつけられた私のデータと両親、兄のデータ……
この世の中嘘だらけだ………
意味が分からない………
よくわからないまま私は大泣きをしてしまった
その声に気づいた先生が理科準備室のドアを開け、木村君は
停学処分になった。
きっと泣いてた私をみて、木村君が今から私を犯すように見えたのかもしれない
いや……実際そうだったと思う。
ストーカーの犯人も木村君だとわかって、その日からストーカー被害はなくなった。
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