その日…
私は確かめるべく
木村君が残していったデータを持って

両親に話をした……。

「お父さん、お母さん……私はこの家の子どもじゃないんだね……。」

「いきなり何を言ってるの!?奏ちゃんはちゃんと、うちの子よ!?」

「………ごめん、言い方間違えたみたいです…。お母さんが産んだ子供はお兄ちゃんだけなんでしょ!?」

「「っ…!?」」

「ごめんなさい……私が調べたことではないの……でも、知ってしまったから……聞きたくて。」

「………どこまで知った?」

「貴方!」

「律子……響を呼んで来なさい…家族会議だ。」

「はい………。」

父はいつものニコニコ顔を曇らせて
大切な会議の時にしか使わない部屋を開けた。

「何?父さん……奏まで呼んで…。」

「………家族会議だ。」

「響くん……奏ちゃんが……その……。」

「お兄ちゃん、私とお兄ちゃん…血がつながってないんでしょ?」

「何で知ってっ!!!!」

「っ……やっぱり。」

「奏の耳には入らないようにしていたことは謝ろう……すまなかった……。」

「お父さん……。ではなぜ私はここにいるんですか?私の本当の両親は……どこですか?」

「…………すまない…。」

「謝罪されても困る……教えて。」

「……父さんの会社の車が、引き殺した。」

「え……。」

「雨の日だった……。歩道を歩いている夫婦がいたんだ……そのころの私よりも少し若かった……。当時の運転手がハンドル操作を誤って…その夫婦めがけて歩道に突っ込んでしまったんだ。」

「……っ!」

「ご主人は咄嗟に奥さんを守ったようで、即死…。妊婦だった奥さんは無傷だったが…破水していて…すぐに救急車で運ばれたよ。だが………奏を産んですぐ……。」

「嘘よ!!!!!!」

「本当なの!奏ちゃん……。」

「2人は施設育ちだったようで、身寄りもなかった。だから、うちで育てようと…奏迎え入れたんだ。」

黙っていて、すまなかったと……深く頭を下げる父を見て
頭が混乱してきた……。

この世の中、嘘でできてる………

その時の私にはそうしか思えなかった…

自分の事は棚に上げて……

親を責めることしかできなかった。

「何それ……迎え入れたって何…!?何様!?人の命奪っといて!?……私の誕生日なんかじゃないじゃない!命日じゃない!結局責任感じて私に好きなことさせて罪滅ぼししてるだけじゃない!……そんなことなら……アイドルなんかやめてやる!あんたらなんか!親でもなんでもないわ!!!!!」

今ならわかるのに……

違う、そうじゃないって……
私を傷つけないようにって考えてくれた上で伝えなかっただけ……

なのに私は両親にひどい事を言ってしまった……
その時の私はそうは思ってないけど、今はちゃんとわかってる…。

そして私は高校卒業を期に
アイドルをやめた…

テウをいないものにしよう……
嘘をつくのももう嫌だ…
もう二度と大切な人をなくさないように………
いないものにしてしまえばいい…

そうして、学校内では誰も進学しないといった
北欧にあるノースメイアの大学に進学した。

学費はアイドルで稼いだものがある。
4年間海外に進学するのも苦ではない。
特別推薦枠もあった。
首席入学なら学費も免除だと聞いた。

なんでもそつなく勉強はこなせるタイプの私は
首席で入学した。

でも不思議な街だった………

音楽から離れた私を、また音楽につなげようとするような雰囲気…
何より、街全体が暖かかった
決して気温がというわけではない

人間同士が、音楽によって繋がって……

社会にむしゃくしゃしていた私をヒーリングするかのような
そんな不思議な街だった。

ある日の事だった……

「……キミは日本人かい?」

「そうですけど……あなたも?」

「僕の名前はハルキって言うんだ、君の名前は?」

「奏です……。」

「綺麗な名前だね。奏……いいかい?歌は人の心をつなぐものだよ?君は今、誰を信じればいいかわからないようだね?……まず自分を信じなさい。そして届けなさい。きっと心は繋がるから。」

「……信じる、歌う…。」

「君は昔、歌っていたんじゃないかい?いい声をしている、発声も。もったいないよ……ここで伝えることを諦めたら。どんな形でもいいじゃないか!君が歌わなくてもいい……誰かに、伝えることも教えることも…つなげることになるんだよ。」

「う、歌うことも踊ることもまだ!大好きです!」

「そうか、それはよかった………。」

その言葉が頭から離れず……進学した2年後
私は小鳥遊社長の電話で

帰ってきた。

この思いを繋げたくて…。

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