−−−−
−−−
−−


「貴方……奏ちゃん、帰ってきてますね…。」

「そうだな……逢いたいな…今どこにいるかわからないのか?田中。」

「ご主人様……すみません、すっかりお嬢様もGPSの存在に気づき、切られてしまっていて…。」

「そうか……話したいことも山ほどあるが……今はこれくらいしかしてやることができないのだな…。」

「無理やりでも捜索を!!!」

「やめなさい。奏が嫌がることはしたくないんだ……可愛い娘だからな。」



−−
−−−
−−−−

その後、何もなかったかのように奏はコーチ兼マネージャーに戻っていた。
大和に付きっきりだった仕事も終わり、今夜はみんなゆっくりとできる時間が作れたため、録画していた大和出演のドラマを見ることになった。

「ウェルカム!私のシアタールームへ。」

「俺の部屋だよ!お前が勝手にホームシアターセット設置しただけだろ!」

怒っているのは三月。
みんな三月の部屋に集まり、紡も招待され。大集合だった。

「Oh…ワタシのルーム狭いので兼用しています。ティールームをリクの部屋、ドレッサールームをソウゴの部屋、ダイニングルームをイオリの部屋、アロマルームを奏の部屋…。」

「あの大量のカップ片づけて欲しいんだけど…。」

「あの服の山も…で、ナギくん?今日からアロマルームは閉店するよ?いいね?」

「Oh…ソウゴ目が怖いです…。」

「そ、それじゃあみんなで観ましょう!録画した大和さんのスペシャルドラマ!」

再生ボタンを三月が押すタイミングで、大和は立ち上がった。

「……ちょっと、用事思い出した。」

「あはは!恥ずかしいんだろー!」

「うるせー。」

パタン、と閉じたドアを見て環はさみしそうに
「行っちゃった……。」と呟いた。

「まあいいですよ。勝手に視聴させていただきましょう。」

「どんな感じに仕上がってるのかなー?」

「奏は仕事で、ずっと大和さんについていってたもんね。」

「かなな!犯人どいつ!?」

「えっとねー……。」

「今から見るのに何ネタバレしようとしてるんですか!四葉さんもコーチも!」

「ははは!よしじゃあ再生するぞ!……おー!大和さん出てきた!」

「かっこいい!先生っぽいなー!こんな落ち着いた喋り方、初めて聞いた…。」

観ていくにつれて、みんな大和の演技力の高さに驚き始めた。

「……これは、ひいき目かもしれないけど、主演を食ってる……。」

「ヤマさんじゃないみてぇ……。」

「Oh…。この表情…。」

「ナギさんどうしたんですか?」

「…いえ、なんでもありません…。」

「奏はずっと近くて大和さんの演技見てたんだろ?思わなかったのか?」

「………思ってたよ。でも、言うと本人は、複雑そうな顔をするから…。」

「……大和さん、こんな才能隠してたなんて…。一体何者なんだろう…。」

巷でも、大和の演技力の話は話題になっており、俳優ではなく
IDOLiSH7のメンバーであること、しかもそこには人気急上昇中のMEZZO"のメンバーも所属している。
まだデビューしていないことに驚く声も多かった。

SNSでの拡散力もあってか、事務所にはIDOLiSH7のデビュー時にCMタイアップしたいという会社の問い合わせが何件も来ていた。

「万理さん、書類まとまりました!これがCMタイアップ希望の会社一覧です!コンセプトと予算、日程等もまとめています!予定が合わずにお断りしたスケジュールも念のため記載してます。」

「奏さんありがとう!さっそく社長に見せてくるよ!」

「お願いします!……いいご報告お待ちしてますね!」

「きっと大丈夫だよ!じゃあコーチの仕事に行っていいよ!」

「はいっ!」


万理は急いで社長に資料を提出しに向かった。

「……時は満ちた、かな。大神くん、みんなをここに集めてくれ。」

7人と紡、奏は社長室に緊急招集された。

「急なスケジュールだけど、来週、沖縄に行ってもらいます。」

「沖縄?」

「どうしてですか?」

「デビューシングルのPV撮影だよ。」

「…デビューシングル…っ、じゃあ!」

「IDOLiSH7。デビューに向けて始動開始だ!」

「「「「「「「やったー!」」」」」」」

「ほっ、本当ですか!?社長!」

「ああ、奏くんがまとめた書類はすごくわかりやすかったよ。7人が頑張り、マネージャー達が一生懸命彼らの魅力を伝えてきた結果だよ。おめでとう。」

「「ありがとうございます!」」

さっそく、紡と奏、万理はデビューイベントに向けての計画を立て始めた。

「デビュー記者会見のために、都内のホールを押さえました!マスコミへの招待状も手配中です。」

「デビューと時期をあわせて、ファン倶楽部も設置しようと思います!」

「タイアップは奏さんの資料で猛アピールした大手飲料メーカーの新作飲料水できましました!シングル発売に先駆けて、全国で放映されます!」

「注目が集まるこの時期に、どかんとまとめてやった方がいいって、一織さ……私は思います!なのでこの際、アルバムも同時制作で行きます!デビューシングル発売!アルバム発売!アルバムツアー!この流れでどうでしょう!?」

「賛成です!今の彼らなら、ガンガンいけます!…ですが、……奏さん?奏さん!?」

「っはい!…すみません…最近寝不足で…。」

「MEZZO"と奏さんが過労死します…。」

「あっ……。」

「私は大丈夫です!事務の仕事も万理さんがほとんどやってくださってるので……申し訳ないのですが…。ですが、心配なのは……MEZZO"です…。」

「みんなに一度プランを話してみましょう。」

「そうですね、そのほうがいいですね…。」

紡と奏は、先ほどのプランを
壮五と環に伝えに向かった。

prev next
back