「本当に!ほんっととおおおに!無理だけはしないでくださいね!?」
「大丈夫だよ。2人でちゃんとできるよ。」
「それより万さん大変なんだろ?早く戻ってやったほーがいいよ。」
「環くん……、壮五…。本当にすみません…!では…。」
後ろ髪をひかれる思いで
奏は東京へ帰っていった。
「万理さん!ただいまかえりました!」
「奏さぁーん!これえ!!!!!!!」
東京に帰った次の日。
事務所に入ると
奏のデスクには書類が山に積まれていた。
「なんですか!これ!」
「ファンクラブの書類だよー……手続きは終わったんだけど、会員に送るプラ板の発注がぁ……。」
「あー…やりますね……、これは?」
「それは次の冠番組の書類だよー……。」
「初めて目を通しました……。スポーツブランドメーカーがスポンサーなんですね。」
「そー……。」
「万理さん、何徹目ですか?すごく疲れてますけど……。」
「ははは…!電話っ!俺が出るよ!……はい!小鳥遊プロダクション、担当大神です!…はい、お世話になります……、え、降板……?」
「…?」
失礼します…と小さな声で伝え、受話器を置く万理に
奏は、なんの電話だったのか聞いた。
「……今度の冠番組、降板になるかも…だそうです。」
「え?」
「詳細は今からメールが入るそうです。簡単に言えばスポンサーの親会社からの意向だそうで…。」
「スポンサーの親会社って………。FSC?」
「そうですね……奏さんも大きな会社のご令嬢でしたよね?知ってますか?」
「いえ…父は仕事に関しては、私にも兄にも話すことはなかったですし……ただ一度、株価は抜いたことがあるって言ってました。」
「ご実家すごくないですか…?」
「そうなんですかね?……それ以降はずっと競り合ってる状態らしいですけど。今は興味ないんで、株見てないですけど。」
「昔、株やってたんですか?」
「んー…周りの子がみんな100万から始めてたんですけど、私は50万から始めましたよ。一時期4億まで増やしたんですけど…。」
「はい!?」
「まあ、そんなことはどーでもいいです!……降板の理由……何なんですかね…?」
ツアーも終わり全員が
寮に揃うことができたのは久しぶりだったが
朝食中の話題はどんよりとしていた。
「レギュラー降板?それって良いニュース?悪いニュース?」
「超悪いニュースだよ。」
「ほー。」
「もっと悔しがれ!」
「ちっくしょう!ふざけやがって!」
「タマは素直だな。」
そこにバタバタと走ってきたのは
奏と、壮五だった。
「環くん!早く早く!」
「飛行機に送れる!早く支度して!」
「今、食ってんの!」
「環くん、空港で少し買ってあげるから!」
「3秒で全部口に入れて!行ってきます!」
「んぅううう!」
「あぁ…、みなさん、行ってきます!紡ちゃんにもよろしくお伝えください!」
「い、いってらっしゃい。」
「Oh…MEZZO"と奏、忙しそうです。」
「最近露出が増えていますからね。この雑誌のアンケート見てください。」
「抱かれたい男ランキング。1位八乙女楽、2位十龍之介、……こんなん前回もだろ?」
「5位のところです。」
「抱かれたい男ランキング5位……四葉環!?はああ!?なんで…!?」
「オーマイゴッド!何故、ワタシじゃないですか!?日本のレディ、奏に引き続いてミステリアスすぎます!」
「な、ナギ落ち着いて…。」
「はー。わからないもんだな。女の子の感覚って……。筋肉あるからか?」
「Ok。腹筋わります。」
「んなこったあどーでもいーんだけどさぁ……奏…あいつ大丈夫か?」
「どうしたんだよ、大和さん。」
「ツアーの移動中に何があったか知らねえけど……落ち込んでるんだよ。」
「それは、降板の話が出たからでは…?」
「いや、それよりももっと前にだ……ソウとなんかあったか?」
「んなわけあるかよ、あの2人めっちゃくっちゃ仲良しだぞ!」
「……だよなぁ…。」
そういいつつも、大和の心配がなくなることはなかった。
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