「みんなお疲れ様!……どうしたの?」

「あの!えっとですね!……!クララ!クララ・ローウェルさんと!ナギさんが!」

「マネージャー落ち着いて話して!」

「と、とりあえず車出しますね?」

事務所に戻って話をまとめると

駅前の大きな看板に、ナギが起用されていたとのこと。
しかもその広告が
海外有名高級ブランドの
クララ・ローウェルだという。

「クララ・ローウェル……。42歳、イタリア人。本人の意向で無名のモデルを抜擢……。」

万理はというと、ワナワナとしながら話を聞いていた。

「事務所を通してくれれば!莫大なタレント使用料が入ったのに…っ!」

「Oh…。レディとのデートにマネー絡める、スマートじゃありません。」

「クララ・ローウェルと言えば、女性に大人気の老舗ブランドです。」

「知ってます!私も貯金して鞄買いたいなって……。」

奏のそばにいた壮五は、そういえば…と思い出した。

「奏の鞄と靴は全部、クララ・ローウェルだっけ?」

「え、あー…はい。そうですよ。」

「えぇ!?奏さんうらやましいです……。」

「何個かいる?」

「いいんですか!?」

「って2人とも、そうじゃなくて……。六弥さんの顔を使ったこの宣伝写真が、女性誌に載りまくるということですよ。」

「つまり……。」

「ワタシは……また、モテてしまう。」

「アイドリッシュ7の売り時でしょう!」

何か仕事が来ていないか?と一織が聞くので
紡も奏も仕事用のパットとパソコンの確認をし始めた。

「ミスター下岡さんが、次の番組レギュラーに誘ってくれています……他が…奏さん、どうですか?」

「えっと…こちらが……、!大和さん主演で、連続ドラマの依頼が来てます!」

「奏さん!主題歌は!?」

「特に何も書いてないです!これはいけますね!とりあえず先に大和さんに連絡はしますね!」

「え?なんですか?」

「何をぽけっとしてるんですか!マネージャー!この連ドラの主題歌、IDOLiSH7でもぎ取ってください!」

「……!わかりました!営業かけてきます!」

「紡ちゃん!これ!名刺!あああ!あとこれ、サンプルCD!」

「はい!行ってきます!」

そう言って紡は大急ぎで営業に向かった。

「Oh…。どうしました、紡……。ワタシのせいでトラブルなりましたか?」

「違うよ、ナギくん。」

「はい!すごく良い働きです!グッジョブですよ!」

「ワオ!みなさんのためにひと肌脱いだ甲斐ありました!」

「よく言いますよ……。」

ナギの、イオリは先ほどマネージャーのようだったという
適格な指摘を、さらっと流し……

すぐそこまで、IDOLiSH7飛躍の時が来ていた。
大和主演のドラマの主題歌の担当が
IDOLiSH7にきまったため、レッスン場には7人と紡、奏が集まっていた。

「サスペンスドラマ『メネシス』…かっこいいなー!」

内容としては、謎の毒物メネシスに犯された余命三か月の主人公が、開発した組織に容赦のない復讐を仕掛けるというもの。その実態を追う女性記者とのラブストーリーもあるらしい。

「かっこいいじゃん!大和さんにぴったりだよ!」

「どうぴったりなんだよ。」

「復讐鬼だからだろ。あんた、するって言ってたじゃん。」

「環くん……君はどうして、率先して地雷を踏んでいくんだ……。」

「地雷じゃないっしょ。バラバラに吹き飛んでねえもん。」

「吹き飛んでからじゃ遅いだろう!」

「にしても、サスペンスの主題歌なら、いつもみたいに明るい曲じゃないよな。奏はコーチ久しぶりだな!なんか知らねえの?」

「私もまだ受け取ってないんです。」

「え?じゃああとでピアノ弾いて確認?」

「そうですよ。」

「すっげー…すぐ弾けるんだ……。」

「退屈のたまものですよ…。」

そこに社長が楽譜とCDをもって現れた。

「お待たせ。君たちに渡す曲、決まったよ。」

「あ、社長!本当ですか!?」

「うん。発表する前に夕食にしよう。今、出前のそばをとったから。」

「ツキミソバ!」

「天ぷらそばだよ。」

「すげえ!!!!いいの…!!?」

「俺たち売れてきてる!?」

天ぷらそばにはしゃぐみんなのもとに
インターホンの音が聞こえてきた。

「来たみたいだね。数が多いし、奏くんと紡くん、出てくれる?」

「「はい!!」」

2人が急いで向かうと
そこにはどう見てもTRIGGERの八乙女楽がいる。

「毎度どうもー。そば処山村です。」

「つ、紡ちゃん、私知ってます…!TRIGGERの八乙女さんです!」

「そ、そうですよね!?」

「よく言われますけど、赤の他人です。あんなイケメンじゃないんで。」

「「す、すみません……。」」

「そっくりだったのでつい…。」

「いいえ。はい、天ぷら11個。熱いよ。」

「ど、どうも……。」

紡は、不思議そうに蕎麦屋さんに話しかけた。

「山村さん、いつものおじいさんは?」

「おじいさん???」

「あー、奏さん初めてですもんね…。」

「腰やられちゃって。今は、ばあちゃんとおふくろが、店を切り盛りしてます。」

「ああ、お孫さんだったんですね。」

「おじいさん、お大事に……。」

「ありがとうございます、じいちゃんに伝えときますね。じゃあ、どうも。毎度あり。」

そう言って、蕎麦屋さんは帰っていった。

「……びっくりしたー、最近壮五にDVD借りてTRIGGER見たばっかりだったんです。」

「あ、そうなんですね!……それにしても…。」

「「そっくりすぎません??」」

「でも働いてるわけ……。」

「「ないですよねー!」」

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