MEZZO"の2人に同行していた奏は
控室で事務作業中、環の大きな声に
驚いた。
「はあ!?なに言ってんだ!?むかつく……!」
「ど、どうしたの環くん!?」
「環くんは雑誌に向かっても全力で怒れるんだな。」
「何、壮五は感心してるんですか!……尋常じゃないですよ!?」
「そーちゃんだってむかつくよ。見てみろよ、これ。」
「三月さんのインタビュー?」
そこには、デビューはMEZZO"が先だったが、今は俺たちが2人を支えている感じ。
5人がIDOLiSH7のメインでMEZZO"は予備軍だと、かなり辛辣な言葉で書かれていた。
「むかつくだろ。」
「……まあまあ……。デビューするまではみんな苦労したんだ。少しくらい、見逃してあげようよ。」
「そーちゃん、続き読んだか?」
「……オレは取り得はないけど、個性がある。万能だけど個性がない壮五よりグループに重要……。」
落ち込んでしまった壮五から、奏は咄嗟に雑誌を取り上げた。
「な?むかつくだろ?」
「……壮五も、環くんも、この記事については気にしないで。」
「気にするなって!書いてあるんだぞ!?」
「……この雑誌の取材の仕事、予定になんかなかったのに……。」
奏は頭を抱えた。
その数週間の間で、メンバー内の仲はぐずぐずに崩れていっていた。
仕事の移動で車を出すにも
メンバーをまとめるのに奏と紡はてんてこ舞いだった。
「みなさん!ワゴンに乗ってください!」
「悪い。俺、タマの隣外して。」
「あ?なんで?」
「理由はてめえの胸に聞け。このクソボケ。」
「はああ!?」
「喧嘩すんなよ!壮五、環がまた何かしたのか?」
「……どうして、三月さんは環くんが悪いと決めつけるんですか。彼を見下してませんか?」
「あ、いや、そういうわけじゃねえけど…。」
「四葉さんがやらかす率が多いからでしょ。ねえ、兄さ……。」
「なんなんだよおまえは!味方しろなんて頼んでないだろ!俺を馬鹿にしてるくせに!」
「馬鹿にしてなんか……。」
「一織が人を小馬鹿にするのなんて、いつものことじゃないですか!」
「Oh、良くない良くない。イオリ、大事な話があります。」
「なんなんですか?二階堂さんと四葉さんの話でしょう?」
「いーよ、蒸し返さなくても。話す気もねえし。」
「むかつくな!なんだよ、その態度!」
「てめえこそ、あちこちで俺が芸能関係者だなんて、余計なこと吹かしまくっただろうが!」
「やんのか、この野郎……!」
「やめろよ、環!」
「だから、どうして環くんだけ叱るんです!?彼が予備軍だから!?」
「掴みかかってんのあいつだろうが!」
「いいですか、イオリ。人のハート、とても繊細です。少しの事でも傷つきます、OK?」
「今はハートの事より、殴られそうな二階堂さんの方を心配したほうがいいのでは?」
「み、みんなどうしたんだよ!?」
「あぁ……っ、奏さんどうしましょう!」
「……仕方ないです、車を2つに分けましょう……。最近5人乗りの乗用車を買ったんです。私の方に、壮五と環くんと一織くんを乗せていきます……。」
「一織さん、そちらで大丈夫ですか?」
「……環くんはいますけど、三月さんとは一緒にしないほうがいいでしょう…。」
「そうですね……。」
なんとか7人の仕事も終わり
寮に帰したが
紡と奏と万理は事務所に残り
今日の7人の騒動について話し合った。
「雑誌やネットの記事のせいですかね……。万理さん、奏さん…。」
「普通は取材記事もすべて、こちらにチェックを投げてもらえるんですけどね……。」
「はい…、ネット記事やゴシップ雑誌はあることないこと、無断で書きますから……。私もテウの時代そうでしたよ。」
「だとしても、このところ急に増えた感じですけど……。人気が出たから仕方ないのかな。」
「……忙しさもあると思うんです。今は事務所ですれ違う程度しか、一緒にいる時間がないから……。」
「確かに、寮でもみんな揃ってること、少なくなってますね……。」
「MEZZO"はもちろん、大和さんはドラマが忙しいし、ナギさんもモデルの仕事が入って、陸さんや一織さんは露出が多いし、三月さんはバラエティ番組の出演が増えてきてて……。」
「昔はやることなくても、レッスン場に集まってだらだらしてましたからね……。」
「個人の仕事が増えてきた今、チームワークが乱れないようになんとかしないと……。」
夜も遅いというのに
インターホンが聞こえてきた。
「あ、お客さんですね。」
「私出てきます。」
そういって紡は事務所から出た。
「……万理さん。」
「どうしたの?奏さん。」
「しばらく……休暇いただけますか?1週間もいらないです!ちゃんと帰って来ます。」
「寮には…?」
「しばらく開けます……、お仕事を増やしてしまうかもしれませんが……。」
「何か、事情があるんですね?」
「………皆さんを守ります。本当はこんな手を使っても、皆さんが喜ぶだなんて思わないです……、でも、7人には笑っていてもらいたいんです!」
「……わかりました。有給希望書にサインしてください。ホワイトボードにも休みの期間のところにマグネット置いて行ってくださいね。」
「わかりました……。」
奏は急いで寮に帰り、キャリーバッグに荷造りをし
急いでどこかへ向かった。
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