02 辛そうな環くんを連れて、病院に行くと
やはり風邪。
食欲もあまりないと言い出すので
今日は特別に王様プリンの個数制限を解放した。
それでも、栄養がいるから!と
奏は、うどんやおかゆが作れるようにと
僕と環くんが、薬局で薬を貰いに行く時間に
ささっと買い物を済ませてきた。
「お薬、貰いましたか?」
「まだだよ、買い物早かったね。」
「早く環くん寝かせなきゃと思って……。」
「……かなな…、薬って、粉…?」
「え、粉もあるかもね……。」
「うぇー……。」
「ふふっ、環くん薬苦手?」
「そーちゃん笑うなよ…好きなやつとか、めったにいねーだろ……。」
四葉さーん、と呼ばれた。
辛そうな環くんは、僕の肩に寄りかかっていたので
奏が
「私行くよ。」
と説明をうけに行ったが……何やら苦笑いしながら
帰ってきた。
「……ごめんね、環くん……お粉なんだけど……。」
「やだ!!!!!」
「だよねー……ちょっと待ってね?」
奏も、少し困った顔をしながら薬剤師さんの元に帰っていった。
何やら、エナジーゼリーのようなパックのものを3つと、薬を持って帰ってきた。
「……奏、それは?」
「これね、抗生物質は粉だから……服薬ゼリーだよ。チョコ味の服薬ゼリーがあるんだって!環くんやったね!」
「……王様プリン味がよかった。」
「こら、環くん。」
「あはは、環くんらしいね!帰ったら、ちゃんと食べてお薬飲んで、寝ようね?」
「んー…。」
寮に帰り、なんとかうどん一人前をちゃんと食べてくれた環くんは
おとなしく薬を飲んで寝てくれた。
いつもと違うおとなしい環くんは
寂しく感じた。
いつもみたいに
「そーちゃん、細かい!もーやだ!あれこれ言うな!」
って、言ってほしいっていうのも変だけど…
変にソワソワした僕は
環くんの部屋に向かった。
そこには、寝ている環くんのお腹をポンポンと優しくたたいている
奏がいた。
「ねーんねーん……あ、壮五、しぃー…今やっと寝たから……。」
「ご、ごめん……気になって…。」
「そっか、大丈夫だよ。本当はすぐリビングに戻ろうと思ったんだけど、寂しいっていうから……。」
熱が出たりして、寝込むと、人間は人恋しくなりやすいっていうのは
確かに本当だけど……
きっと環くんは、それ以上に……寂しがり屋なのかな?
「っふ、大きな子供みたいだね。」
「そうですね。さっき寝る前に環くん言ってたんですよ……今日の仕事行けないから、そーちゃんがまた大変になっちゃうって…。」
「環くん……。」
「気にしなくていいからって言ったんですけど……睡魔に勝ってる間はずっと気にしてて……。」
彼なりに僕を気にしてくれるんだ……
今、自分が一番つらいはずなのに…………。
「奏、午後からの仕事は僕一人で行くからいいよ。」
「でも、午後は大和さんも帰って来ますし、紡もいるから……私も同行しますよ?」
「今日の環くんには奏が必要だよ。」
「……わかりました。気を付けて行ってきてくださいね?」
仕事中も、環くんが気になったけど………
彼の分まで頑張らないと…
いつも以上に頑張れた。
仕事が終わって帰ると、玄関を開けたと同時に
大和さんがいた。
「お、おかえりソウ。」
「ただいま、大和さん。あの…環くん……。」
「奏がずっと看病してるよ。タマも奏から離れる気配なしで。」
大和さんはケラケラ笑った。
タマがタマじゃないみたいだ!って
そーっと環くんの部屋に入ると
奏が、環くんのベッドに少し伏せるような感じで寝ていた。
あぁ…きっと、さっきまでまた
お腹をポンポンしてたんだな……
「奏……お疲れ様。」
きっと明日は、元気な環くんになってるよ
*4*5*
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