01 控室で環くんと2人…
打ち合わせに行った奏が、なかなか帰ってこない……。
「…ん?そーちゃん、心配なら電話してみたらいーじゃん。」
「環くんは心配じゃないのか!?」
「母さんは俺置いて逃げたりしねーもん。」
「奏はお母さんじゃないよ…。まったく。」
環くんの言う通り
一度、コールしてみる…
返ってくるのは「ただいま電話に出ることができません」という
機械的な女性の声……。」
「……環くん、少し出るね。」
「ん?トイレ?」
「違うよ。…奏を探してくる。」
「おー。」
全く…のんきなものだな。
………いや、僕が過剰に心配しすぎなのか?
環くんからも、もっとソフトにおろおろしろと言われたっけな?
そういわれても……僕なりに、ちゃんとソフトにおろおろしているつもりだ。
「…小鳥遊プロさんだっけ?…いやぁ、マネージャーだけだともったいないよねー…。」
「あはは…ありがとう…ございます…。」
!!!この声は、奏!
少し暗くなった、非常階段の方から聞こえる声……
あまりいい気分ではなかった。
「この業界さ…知ってるよね?おたくのMEZZO"……もっと上に上げる方法…。」
「な、なんでしょうね……?勉強不足ですみません…。」
「もしかして初めてかな?こういうの……。」
「何がでしょうか…?……んっ…!」
「とぼけてる?……じらすのもうまいんだね……。」
「奏マネージャー!!!!!!」
「っち!」
「…っ!壮っ…逢坂さん!」
僕は見てしまったよ……そこの中年親父……
非常階段を少し下った踊り場に奏を追い詰めて
僕しか知らないはずの、柔らかな胸に触れていたのを……
「…お仕事中すみません!マネージャー、環くんが体調悪そうなんだ……一度着信も入れたんだけど……。」
「えっ!すみません……気づかなくて!……失礼しますね!」
本来なら、ここで僕が手を引くのはおかしいだろうね………
でも耐えきれなくて………
君の手を引いて、階段を駆け上がった……。
しばらく歩いて…人気のない、日の当たるバルコニーまで出てきた
「……壮五、ありがとうございます……その…。環くんは!?」
「ごめん……っ!嘘なんだっ!」
「壮五…?」
あぁ…僕がもっと早く駆け付けてあげれていれば……。
あんなに怖い目には合わずにすんだはずなのに……。
君を抱きしめると、折れてしまいそうなほど細くて……
守りたいんだ、と思った……。
「壮五…っ、苦しいです…!」
「あ、ごめん…!他は!何もされてない!?」
「はいっ…!ありがとうございました。」
あぁ、笑ってくれた……よかった……。
その君の笑顔で僕の少し醜かった感情は浄化されたよ……。
でも……
「奏……、許してね?」
「え?……っちょ!」
服の上から、触れられてしまった部分に
優しく口づけた…
あいつで奏が汚れてしまうのが、嫌だから……。
「僕の…ものだから…。」
「壮五……。当たり前ですよ。」
何一つ不安になることはないね………
君となら………
辛いことも、幸せも
迎え入れることができそうだ……
これからもずっと、永遠に。
------「…そーちゃんも帰ってこねぇじゃん……。」------
*5*
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