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四葉さんにはナレーション任せないでくださいって一織に言われたから
俺が頑張ります!
七瀬陸です!

久しぶりのみんなオフ!
奏さんもオフなんだけど、どうも体調がすぐれないみたいで……
ずっとソファーにうずくまってる……。

「かななー…大丈夫かー?死なないよなー?!」

「……環くん…大丈夫だよ……心配してくれてありがとう…。」

奏さんは環の頭を優しく撫でながら微笑んでるけど……
絶対つらいはず…

俺に気づいた環が、駆け寄ってきて、小さい声で話した。

「りっくん、かなな……死んじゃいそう!」

「死なないって………多分。」

「多分じゃん!………こーゆーときって、何したらいーのか俺わかんねえ…。」

「そうだね……。」

2人でうーん…と悩んでると、玄関が開いた音がした。

俺と環は急いでお迎えに行った。

「「おかえりー…!」」

「た、ただいま…2人ともどうしたの?ずいぶん小声だね……。」

壮五さんだった!
買い物に行っていたみたいで、買い物袋はパンパンだった。

「そーちゃん、しぃー!いま!かなな、死にそうだから!」

「だから環!死なないって!」

「りっくんも!しぃー!」

「あはは、環くんも陸くんも心配してくれてたんだ。ありがとう。大丈夫だよ。……そうだ、これ奏に淹れてあげて?」

壮五さんが買い物袋から出したのは、少し高そうなアップルティーの箱だった。

「そーちゃん……馬鹿にしてんのか?かなな死にかけてるんだぞ!」

「馬鹿にしてないし、結構本気だよ。……女性にはね、月一回とてもつらい週があるんだよ。」

「……はっ!」

俺は察したけど、環はポカーンとしてた。

「……そーちゃん、それが分かる人なの?」

「…う、うん……。奏はわかる…よ?」

「……そーちゃんすげえな。」

「あ、ありがとう。」

環、本当に知らないようです。
壮五さんに言われた通り、俺たちはアップルティーを淹れに向かった。

キッチンの隣にあるテレビの前のソファーに、相変わらずうずくまったままの奏さんに
壮五さんが近づいた。

「……奏?大丈夫…?ほら、ブランケットかけないと…カイロも買ってきたけど貼る?」

「壮五……?ありがとう……カイロ欲しい……。」

「いいよ、腰でいい??」

「うん……。」

「はい、貼ったよ。今ね、陸くんと環くんがアップルティー淹れてくれてるよ。」

「だからだね、いいにおいがする……。」

「できるまで、しばらく寝てな?」

「うん……。」

壮五さんの膝に頭を乗せて寝る奏さんは、さっきよりも
ずっとずっと楽そうだった。

ああ、いいなー…
俺も壮五さんみたいな優しい大人になれるかな…?

「りっくん!りっくん!お湯沸いた!こんなかいれていいの!?」

「うん、いいよ!上の棒は押したらだめだからね!」

「え!?なんで!?邪魔じゃん!」

「それは奏さんが飲む前に押すんだよ。」

「……かななのためなら押さない。」

環もいいやつだよな………

天にぃ……
俺は元気です。

優しいみんなから、たくさんのやさしさをもらって
毎日が楽しいです……。

いつか、家族を捨てた
天にぃの事も許せる気がするよ。

いや、心のどこかでもう……

なんて、少しほっこりした
そんなオフの日…。

*4*7*


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