01 四葉さんにはナレーション任せないでくださいって一織に言われたから
俺が頑張ります!
七瀬陸です!
久しぶりのみんなオフ!
奏さんもオフなんだけど、どうも体調がすぐれないみたいで……
ずっとソファーにうずくまってる……。
「かななー…大丈夫かー?死なないよなー?!」
「……環くん…大丈夫だよ……心配してくれてありがとう…。」
奏さんは環の頭を優しく撫でながら微笑んでるけど……
絶対つらいはず…
俺に気づいた環が、駆け寄ってきて、小さい声で話した。
「りっくん、かなな……死んじゃいそう!」
「死なないって………多分。」
「多分じゃん!………こーゆーときって、何したらいーのか俺わかんねえ…。」
「そうだね……。」
2人でうーん…と悩んでると、玄関が開いた音がした。
俺と環は急いでお迎えに行った。
「「おかえりー…!」」
「た、ただいま…2人ともどうしたの?ずいぶん小声だね……。」
壮五さんだった!
買い物に行っていたみたいで、買い物袋はパンパンだった。
「そーちゃん、しぃー!いま!かなな、死にそうだから!」
「だから環!死なないって!」
「りっくんも!しぃー!」
「あはは、環くんも陸くんも心配してくれてたんだ。ありがとう。大丈夫だよ。……そうだ、これ奏に淹れてあげて?」
壮五さんが買い物袋から出したのは、少し高そうなアップルティーの箱だった。
「そーちゃん……馬鹿にしてんのか?かなな死にかけてるんだぞ!」
「馬鹿にしてないし、結構本気だよ。……女性にはね、月一回とてもつらい週があるんだよ。」
「……はっ!」
俺は察したけど、環はポカーンとしてた。
「……そーちゃん、それが分かる人なの?」
「…う、うん……。奏はわかる…よ?」
「……そーちゃんすげえな。」
「あ、ありがとう。」
環、本当に知らないようです。
壮五さんに言われた通り、俺たちはアップルティーを淹れに向かった。
キッチンの隣にあるテレビの前のソファーに、相変わらずうずくまったままの奏さんに
壮五さんが近づいた。
「……奏?大丈夫…?ほら、ブランケットかけないと…カイロも買ってきたけど貼る?」
「壮五……?ありがとう……カイロ欲しい……。」
「いいよ、腰でいい??」
「うん……。」
「はい、貼ったよ。今ね、陸くんと環くんがアップルティー淹れてくれてるよ。」
「だからだね、いいにおいがする……。」
「できるまで、しばらく寝てな?」
「うん……。」
壮五さんの膝に頭を乗せて寝る奏さんは、さっきよりも
ずっとずっと楽そうだった。
ああ、いいなー…
俺も壮五さんみたいな優しい大人になれるかな…?
「りっくん!りっくん!お湯沸いた!こんなかいれていいの!?」
「うん、いいよ!上の棒は押したらだめだからね!」
「え!?なんで!?邪魔じゃん!」
「それは奏さんが飲む前に押すんだよ。」
「……かななのためなら押さない。」
環もいいやつだよな………
天にぃ……
俺は元気です。
優しいみんなから、たくさんのやさしさをもらって
毎日が楽しいです……。
いつか、家族を捨てた
天にぃの事も許せる気がするよ。
いや、心のどこかでもう……
なんて、少しほっこりした
そんなオフの日…。
*4*7*
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