01


今日の献立どーすっかなー!?って悩んでる時
奏とナギが帰ってきた。

「ただいま帰りましたー!」

「たっだーいまでーす!」

「おー、おかえりー。なぁ2人とも、今晩なに食いたい?」

「え?お夕飯ですか?うーん……シチューとか?」

「シチューか……。久しぶりだな!よし!そうしよう!」

「確かにこちらではあまりスープを食べること多くないですね。」

ナギのこちらっていうのは日本のことだから……ああ、ノースメイアでは
シチューとかメジャーなのか?

「ナギくんって、どこのご出身なんですか?」

「ノースメイアです!」

「…!なんで教えてくれなかったんですか!?私もノースメイアの大学行ってたって教えたのに!」

「Oh…ソーリー…すっかり忘れていました。」

あー、2人ともそーいえばノースメイアいたんだっけ?
俺も忘れてたわー…

「ノースメイアのシチューってどんな感じなんだ?」

「いたって普通なんですけど、カブが入ってることが多かったです!」

「イエス!とてもジューシーです!」

「へー…今は旬じゃねーから買ってないけど、冬になったらいいかもな!」

「よく食べましたよ!寒いんで……。」

「へー。」

「日本の豆腐文化もノースメイアにきました。クリームにした豆腐を入れることもありました。」

「味噌汁っぽいな…!」

俺が夕飯作ってる間、2人ともノースメイアの話で花が咲いていた。

そーいや、北欧だから寒いんだっけか?
そもそもジューシーって言ってたけどなんだ?

「……なあ、2人とも、北欧のシチューってジューシーなのか?」

「「はい、カレリアシチューが有名ですから。」」

「は?」

カレリアシチューってなんだよ!
聞いてねえよ!

急いで調べると
俺の知ってる白いスープはそこにはなかった……。

「めっちゃがっつりじゃん。」

「牛肉ブロックたっぷりです!環くんとか喜びそうですよねー!」

「久しぶりに食べたいでーす!」

2人はすくっと立つと
俺の目の前に来た。

「「よろしくお願いします、三月シェフ。」」

「………明日から、もやしパーティー覚悟しろよ?」

とか少し脅しつつ……

頼られると、断れねえよなー……。

俺は急いでスーパーに走った。

特売の牛ブロックを求めて………

*3*6*


前へ次へ