02


決戦の土曜日……。

パパとママの予定は開いているようで、万里とその彼女が
実家に来るそうです。

「百夏は万里からどんな子か聞いてるの?」

「んぁー……。なんか本気らしい。」

「「万里が本気!?」」

両親すらこの反応です。
弟よ……。

「ただいまぁー!!!」

万里帰ってきたよ……。
チラ見しちゃう姉。

「…ほい、これスリッパ。」

「あ、ありがとうございます……。」

んな!?
めっちゃくっちゃ清楚じゃん!?
あ、いや。化粧はしてるよ?
最近の子はすごいねぇ…。早いよ化粧デビューが。
でも今までの「渋谷でチョリーッス!」系じゃなくて
なんつーか……新社会人!丸の内オフィスOL!みたいな…。

「パパ!ママ!来たよ!!!!」

「「(姿勢正す。)」」

大丈夫か、この親……。

リビングのドアが開く音が聞こえると、万里と
その子が入ってきた。

「よぉ、久しぶりだな。」

「お邪魔します。」

ちっさ!!!なんだこの小人!!!
花柄のワンピースに包まれた、この小人はなんだ!?

「おかえり万里。…いらっしゃい。」

「はっ……!も、申し遅れましたっ!ち、茅ヶ崎心と申しますっっ!花咲学園高校の2年で、万里さんの後輩でして…同じMANKAIカンパニーに裏方のメイク担当で所属してますっ…!」

よろしくお願いします!と言いながら頭を下げた心ちゃん。
ここ、面接会場じゃないから、そんなに緊張しなくてもいいのよ…?

「はっはっは!可愛らしい子だな万里!立ち話もいけない。座りなさい。」

「おう。」

「し、失礼します……。」

ほんっとーに万里、お前どうやってこの子落としたよ。
今までと真逆じゃねぇかよ!
温度差で風邪ひくぞおい!

「心ちゃんは、うちの万里でいいの…?こんないい子、万里にはもったいないわ……。」

「おい、母さんっ!」

「万里さんがいいんです。逆に私にはもったいないくらいの素敵な人ですよ。」

そう微笑む心ちゃんは、本当に幸せそうで……。

私の義妹……、可愛いかよ……。

しばらく話すと、心ちゃんの初恋が実は
万里だったことが判明した。

こんなにいい子に思われてる万里は、今
世界一幸せな男に違いない。

楽しそうに、万里の事を両親や私に話す心ちゃん。
それを横で恥ずかしそうにも、嬉しそうに聞く万里。

そっか……
あんたも立派な男になったんだね。

弟の成長がこんなにも嬉しいなんて……。

「ぎゃあああああん!!!」

「っ!千春起きたの…?」

お昼寝中だった千春がギャン泣きで目を覚ました。
そろそろミルクの時間だっけ…?

「…あ、ごめんね心ちゃん…うるさいでしょ?」

「いえ全く!元気ですね!女の子ですよね!」

迷惑じゃなければだっこしてもいいですか?と心ちゃんは聞いてきた。もちろん構わないというと
自分の手についていたブレスレットやネックレス
大きめのピアスを外して千春を抱っこしてくれた。

「ふわふわー……。いいにおいするよ!万里さん!」

「そら赤ん坊だからな。」

「…かわいい………。」

…お前が可愛いわああああああああ!
粉ミルク作成中の私は悶えた………。

「万里さん!見て!ほら!あくびした!!!」

「おー、前歯生えてんだなー。」

その様子を見たパパは
「万里と心ちゃんの子はいつかなぁ?」と笑ったが
隣にいたママが
「セクハラですよ!」と猛注意した。

「…大学卒業してしばらくしたらだろうなぁー……。」

「へ?」

「ん?俺も進学先決めたし?……その頃までお前と一緒にいる未来しか見えねぇしな。」

「万里さん本当によくそんな恥ずかしいこと言えますよね。」

「だぁから、おめぇはもー少しキュンってしろよ!」

「慣れました!」

「慣れてんじゃねぇ!!!」

「そんな大きな声出さないでください!ちーちゃん泣いちゃいますよ!」

「……すまん。」

そのやり取りはもはや熟年夫婦のようで……
この2人なら大丈夫だろと安心しました。

摂津万里の姉:百夏より。



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