「名前ちゃん、飲み込み早いね〜!これなら、すぐにでも独り立ちできそうだよ!」
「あ、ありがとう…!」
ストレートに褒められると照れてしまう。そこへ、店長の
「皆さん、そろそろ開店時間が近づいてきました。テーブルは片付けておきますから、皆さんは控え室で改めて準備を整えてください」
「は〜い」
私たちは控え室へ向かった。
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開店後、周年イベントということもあってか、次から次へとお客様が来店していた。チエミちゃんが同席してくれたのもあり、大きな失敗もすることなく対応できていた。本来の目的である情報については、私が店をはねる時に教えてくれることになった。そんなこんなで接客をしていると、ボーイから声をかけられた。
「名前ちゃん!ご指名で〜す!」
し、指名!?新顔だから指名などされないだろうと思っていたが、そんなことはなかったらしい。予想外の出来事に固まっている私に対して、チエミちゃんが小声で語りかけてきた。
「もう指名なんてすごいじゃん!行っておいで!」
「…うん!」
「失礼します!」と今まで座っていた席のお客様に告げて、私は指名が入ったテーブルへ向かった。
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「お待たせしました〜!名前で〜す……!?」
席を見ると、明らかに見たことのある男性が二人座っていた。
私は急いで席に座り、二人に対して小声で話しかける。
「ちょっと…海藤さんに杉浦くん!なんでここに…!?」
「え?なんでって…そりゃあ、杉浦がどうしても名前ちゃんに接客してもらいたい〜って言うから…」
「海藤さん…!それは言わない約束だったでしょ…!それに今は
八神さんが言っていたのはこのことか。
というか、その格好は変装のつもりなのか。チラッと長谷川店長の方を見ると、こちらを見ながら笑いを堪えている様子だった。うん、ちゃんとバレてる。
珍しい物見たさというやつなのは分かるが、だったらもうちょっと分かりづらい変装があるのではないか。個人的にはとてもやりづらい。
「それにしても、本当綺麗だね名前さん…!他の人に見せるのが勿体ないくらいだよ!」
私の思いとは裏腹に、杉浦くんははしゃいでいる。心なしか目が怖い。
「はいはい…お世辞でもありがとう…」
「お世辞じゃないよ!!ほんとに可愛い!!」
「おい、杉浦。名前ちゃんが困ってるだろ。それに、知り合いだってバレるとまずいんじゃなかったか?」
杉浦くんのベタ褒めに困惑していると、海藤さんが助け舟を出してくれた。
「そ、そうだったね」
「金は出してやるから、とりあえずお前も何か飲め!名前ちゃんも好きなの頼んでいいぞ」
「ありがとうございます!」
さすが海藤さん、見た目通りこういう店には慣れているらしい。