トナカイ、キミに決めた
有言実行。定時上がりでまっすぐショッピングモールへ来たのだが、トナカイのぬいぐるみのサイズで迷っていた。ウサギくらいの大きさと、中型犬くらいの大きさ。准くんが等身大なので、サイズ感としては出来る限り大きいものの方が絶対良いとは思うのだ。しかし大き過ぎても収納スペースが…。吉子ちゃん達にLINEしてみようかな、とスマホを取り出したところで、横から声を掛けられた。
「あれ?なまえさんじゃん」
「迅くん!」
奇遇だね〜、と笑う迅くんに「ちょうどよかった!迅くん、嵐山くんの隣に並べるならどっちが良いと思う?」と訊くと一瞬きょとんとしたもののすぐに呆れたように笑った。
「もしかして、嵐山等身大人形のやつ?」
「そうそう、え?視たの?」
「いや、根付さんがこないだボヤいてたんだよ」
「うちの女性達が嵐山くんの人形に貢ぎ始めていてねぇ…って」ショッピングモールの中だという事をすっかり忘れて笑ってしまった。迅くん、根付さんの真似が上手すぎる。ていうか広まってるの?恥ずかしいな。
「一番熱心なのは吉子ちゃんだけどね。サンタ帽手作りなんだよ、今度見に来てあげて」
「オッケー、嵐山連れて見に行くね」
「それはちょっと」
私達も恥ずかしいんだけど何より嵐山くんに嫌がられない?大丈夫かな。と言うと「大丈夫じゃない?嵐山だし」と返されてそっか〜、それもそうだよねと不思議に納得させられた。嵐山くんなら、ちょっと引いたとしても許してくれそうだ。
「あとそれ、そっちの大きい方がいいと思う」
「あ、やっぱり?」
「うん、嵐山んち芝犬いるし」
「これにするわ」
決定打をありがとう迅くん。「いえいえ。まあコロの方がもうちょっと大きいけど」と言われてじゃあお前はコロちゃんだな…と勝手にトナカイに名前を付けた。さて、会計へ行こうと歩き出すと迅くんも付いてくる。どうやら同じ方向へ行くらしい。
「玉狛はみんなでクリスマスやるんでしょ?仲良いもんね」
「あー、陽太郎とかいるしね。小南も張り切るし。もう壁は飾り始めたよ」
「壁飾り…!いいね。100均寄って帰ろう」
「わりとなまえさんも貢いでるじゃん」と笑う迅くんに「楽しいから良いの!准くんはマスコットだから」と言い張った。
「みんな自腹で貢いでんの?」
「自腹ですよ。もう今の時期からバレンタインも相談してる」
「嘘でしょ?来年じゃん。嵐山のモテ力凄いな…」
「迅くんも等身大人形作ってもらったら?私達めちゃくちゃ可愛がるよ」と半分本気で言ってみたのだが「遠慮しとく」と即答されてしまった。残念。
「っていうかここにいる迅くんを可愛がってくれない?」
「うーん、沢村ちゃんのお尻触らなかったら可愛いと思う」
「ダメか〜」
諦めないで、触るのやめてこ!とタバコ禁止のノリで言ってみたが流された上に「じゃあ俺2階に用があるから、またね」と去られた。まあいい、まずはこのトナカイ版コロちゃんのぬいぐるみを購入して、それから100均で壁飾りを探そう。吉子ちゃん達の反応が楽しみだ。
20181210