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そうだ茶会をしよう。と、思い立つとすぐに近くの町に出かけて新しいお茶と、美味しそうな団子を買ってきた。くのたまの相手をしているであろうタカ丸と、タカ丸を探しに行くまでの道で穴を掘っていた喜八郎、部屋に戻るまでに喧嘩をしている滝と三木を捕まえて部屋まで連れてきた。見慣れた面子だ。
「四年しか集まらなかったか……」
「急に連れてきてなんだ! 私は三木ヱ門より優れていることをこいつに教えてやらねばならないのだ!」
「なんだとお?」
立ち上がって喧嘩しようとする二人の頭を叩き座らせる。買ったばかりの団子をみんなに配ると二人は睨み合いながらも喧嘩はやめてくれた。
よかったよかった。暴れたら埃が立つし、なにより俺の部屋で暴れられると物壊れたとき俺が怒られるんだよなー。
「そういえば、昨日大丈夫だった?」
タカ丸の問いに、三木が「あぁ、大丈夫です。ご心配をおかけしてすみません」と答えた。何のことかわからず首をかしげてタカ丸を見た。
タカ丸は俺の視線に気づいて答えようとしたが、それより早く三木が口を開いた。
「昨日の委員会活動があまり大変だったから潮江先輩を呼びに行くことにしたんだ。潮江先輩を探している途中にタカ丸さんに会ったから、相談にのっていただいたんだ」
タカ丸は「たいしたこと言ってないけどね」と笑う。だけど四年生が六年生に「委員会に来てください」なんて言いづらいだろうから、話を聞いてもらえただけで少しは気が晴れただろう。
――ということは、会計委員会には最上級生が戻ったのか。
「ふうん、先輩いなくても結構持ったな」
「僕もそう思ったよ。まあ、手が回ってなかったのを見てみぬふりしてたから、明日からまた徹夜さ」
げっそりと肩を落とす三木に俺は熱い茶を、タカ丸と喜八郎は自分の団子をそっと置き、滝は同情の眼差しで三木を見た。
「今日は潮江先輩が何が終わってないかの把握をするから何も活動はないんだけど、明日からのことを考えるとそわそわして夜も眠れない……」
「今日寝とかないと明日から大変だぞ」
三木をみんなで励ましている間、タカ丸が「僕のところもそろそろかな」と呟いた。
「はあ。そう言われると私のところも、そろそろ七松先輩を呼びに行かないといけないな……」
「久々知先輩はともかく、七松先輩は呼んで素直に来てくれるのか?」
「わからない。が、まだ時間はあるから努力はしてみるさ」
茅の外だった喜八郎が、団子をほうばりながら「みんな大変そうだね」と他人事のように言い放った。同じような感覚の俺は苦笑いで済むが、滝は怒る気力もないようで項垂れている。
「喜八郎はたとえ立花先輩が来なくても変わらないだろうな」
「いつも通りターコちゃんを掘ってると思うよ」
「あー、それわかるわ」
想像に難くない。
「そういえば、立花先輩が他の委員会みたいに通常の活動以外のことをしようとおっしゃって楽しかったよ」
それはそれは。立花先輩も飄々としているし、この状況を楽しんでいるんだろうな。自分と可愛い後輩に被害がなければ、それでいいのだろう。
呑気な俺と喜八郎と違い、未だに先輩方が委員会に来ていないタカ丸と滝は真剣な表情で話している、
「久々知くん、来てくれるかな」
「久々知先輩でしたらすぐにいらっしゃるのではないですか?」
「うーん、それが最近町に出掛けてることが多いらしくて。……天女さまと関係あるのかわからないんだけど、豆腐を買い求めているみたい」
「さ、さすが豆腐小僧ですね」
「心配なのは心配だけど、滝夜叉丸くんのところよりはすんなりいきそうではあるね」
好きな人より豆腐を選ぶ久々知先輩の歪みなさに引いてはいるが、そんな滝だって戦輪を優先しそうな気がする。え、それ言うなら俺ら全員好きなものを優先しそうだ。大丈夫か、俺たち。
悶々と浮かび上がる不安を払拭するべくまだ熱い茶を煽った。
「まあ、滝もタカ丸も先輩が来なさそうだったら顧問の先生から言ってもらえば? 先輩方に暇を出したの先生だし」
――そう、先輩方はなにも無断で休んでいるのではなく、先生から許可をもらっているのだ。どうして先生方が許可を出したのか皆目見当がつかないが、いざという時は先生方から先輩に話がいくだろう。