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 木枯らしが吹き、いつもの神社の木々も赤や黄に衣替えしている。日が照っている今はまだ暖かいけど、そろそろ外で会って喋るのも厳しい季節がやってくるだろう。
 参道にあるカフェでホットココアと、それから松田に手土産としてホットコーヒーを買っていつものベンチに向かった。
 ここで会う松田は、相変わらずジャージ姿。それも似合っているけど、せっかくかっこいい顔を持っているのにもったいない。
 そんな失礼なことを考えながらコーヒーを渡してから湯気の立つココアに口をつけた。

「あったか〜い、美味し〜い」
「よくそんな甘ったるいもの飲めるな。……って思ったが俺も子供のころは飲んでたか」
「そうそう。私、子供だからコーヒーの苦味も酸味も苦手なの」
「よく言うぜ」
「ちなみにミルクと砂糖たっぷりのカフェオレなら飲めるよ」
「そこまでして飲まなくていいだろ」
「たしかにね。でも私だって飲みたくなるときがあるの。……あ、これからはこのカフェで会うのもいいかもね。ここだと寒いでしょ」

 思い立ったことそのまま言うと、松田は少し黙ったあと気まずそうに目をそらし、「あー」と唸りながらもじゃもじゃの頭を掻いた。

「悪いが、もう会えないかもしれねえ」

 突然の言葉にココアを落としそうになった。

「わ、私のこと嫌いになったとか」
「いや、ここに来る時間がなくなりそうなんだ」
「な、なんで? 彼女できたの? 友達より彼女を優先しちゃうの?」
「来月から復職するんだよ。忙しい仕事だから、たぶんここに来る時間は作れねえ」

 そういえば松田は休職中だった。仕事じゃしょうがない。ロッシは前から働きたがっていたし、少し寂しいけれど快く送り出そう。
 とはいえ仕事で忙しいといっても松田の職場は東京だと言うし、私が普通の小学一年生なら私たちの付き合いはこれで途切れるだろうけど、私の行動可能範囲は広い。時間の融通もきくから、私が松田に会いに行けばいいだけだ。そのことを松田は忘れてるんじゃないだろうか。
 そんな感じのことをオブラートに包んで松田に伝えたけど、思っていた笑顔は見られず逆に渋い顔をしている。

「何よ」
「元のお前と一緒にいたら問題だし、その姿のお前もややこしそうなんだよなあ」
「ああ、ロリコン的な?」
「いや、他のことだ」

 年齢じゃないなら立場か。だけど組織のことはさすがにバレていないはず、とは思うけど、薄々勘づいている可能性は高い。松田は野生の勘が鋭そうだから。
 ああ、またバーボンと似ているところを見つけてしまった。

ヒトリヨガリ