じんゆめ


「そ、そのう、姉は……その、自由というか、性に、奔放な人でして……」
 隊室の空気が下がるのが分かった。申し訳なさそうに体を縮こませる#名前#に、月見は淹れたてのココアをそっと置き、優しい声で言う。
「続けてくれる?」
 こくりと頷き、#名前#は語りだした。

「姉はとても繊細な人で、だから誰かが大切にしてあげなきゃいけなくて、でも、誰にも囚われたくない人で……そんな風にしてたら、どんどん周りから人が離れていって……頑張ってたけど、両親にもお手上げになってしまって。でも、私だけは味方でいてあげなきゃ、ひとりぼっちで、死んでしまうと思ったから……」
 かわいそうな人なんです、そう話す#名前#の瞳は虚ろで顔色も悪く、ひどく疲れた顔をしている。奈良坂がそっとたけのこのお菓子をテーブルに置き、食べるように促す。「糖分を摂れば気も和らぐ」「あ、ありがとうございます……」気にするな、と奈良坂が返し、#名前#は控えめに微笑んだ。
 一つつまみ、そっと口にする。ほろほろと解ける甘みが、沈んだ心を救い上げて

「ボーダーに入ったのは、お姉さんのため?」
「はい」
 #名前#ちゃんに誘ってもらったのもあるけどと前置きし、
「あの人は、一人ではいきられない。でも、私もいつまでも一緒にいてあげられない。だからまずは少しでも人に慣れてもらわないと……性的なものではなくて、普通の、道徳観に反してない、普通の人との繋がりを……、私の責任もありますから、厳しくしなきゃ、と


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