さとう夫妻
「もー今日は無理……閉店します……」
「お疲れ様。一段落したの?」
「んん……まあなんとか終わりは見えてきた感じ……あとは明日の自分にまかせる……」
「あ、そっか。寿也くんは見たことないんだっけ、あの子のお師匠さま」
「うん。何やかんや、テニス関連はみつに頼んでばかりだったから」
「ふふっ、すごいでしょ、テニス界」
「噂は常々聞いていたけど、実際観ると壮観だね」
「男子はもっとすごいのよ。まだ女の子はまだかわいい方」
「見せたかったなあ……すごかったのよ、ほんと。あの子がひと目見て惚れる気持ちも分かるっていうか……」
「初代舞姫、だったっけ?」
「そう。ずっと微笑みながら相手を自分のペースに飲み込んで、まるで舞うようにプレーするの。今のあの子のスタイルも似てきたけど、やっぱり圧巻されるのはお師匠さまの方かなぁ」
あの子が向上心の塊で良かった、とみつは心底嬉しそうにつぶやいた。
「みつ……」
「たとえいつか終わるとしても、それまで全力で熱を注げるっていうのは、いいことだよ」
例えばみつにとっての親友たちとの日々のように。例えば寿也にとっての野球であるように。全力で熱を注げる器があるのは良いことだと――そう言ってみつは隣に居る夫を見つめる。
「
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