悔しい日々



4日目の朝、この日が終わるまであと3日。早くこの日を終わらせろと言った爆豪くんに今日も会うのかと思うと憂鬱になる。どうせまたこの日を繰り返すのだから、今日はもう休んでもいいのではないかと思うが、それはそれで後が怖いためいつも通り登校した。

一緒に繰り返しの日々を送ることになった彼と、校門近くでばったり会った時は思わず、ひぃっと情けない声をあげてしまう。
その声を聞きズンズンと迫ってる彼に

「おいコラ、今日はもう進んでんだろうなァ?」

と朝イチでそう脅されながら、昨日言った通りあと3日はこのままであることを伝える。

「巻き込んだのは悪いと思ってるよ…でも、あと3日はこのままになっちゃう」

チッと盛大な舌打ちをした爆豪くんとは、その朝のやり取りを終えてからこの繰り返しが終わるまで言葉を交わすことはなかった。

入学早々最悪な印象植え付けちゃったなぁと考えながら、この歳になっても自分の個性すらコントロールできないことに恥ずかしくなる。この学校に通ううちにコントロールできるようになるだろうかと、淡い希望を抱きながら7日目の今日を迎えた。

7回目の戦闘訓練、今日もみんなで戦闘訓練の反省会をしながら緑谷くんの帰りを待つ。

みんなでワイワイ話をしていると、すうっと教室の扉が開いた。やっと帰ってきた緑谷くんに、切島くんや芦戸さんが戦闘訓練の話をすごい勢いで語り始める。それに圧倒されながらも、彼は爆豪くんの居場所を聞いた途端すぐに教室から飛び出ていった。

最終日の、彼の様子が気になって廊下側の窓から2人の様子を眺める。




*




「かっちゃん!」

後ろから、つい最近まで石ころだと思っていたやつに名前を呼ばれて振り返る。
そこでデクは、個性が人から授かったものだとかまだコントロールできないがいつか俺を超えるとか、わけわかんねえとこを言い始めた。だから、だからなんだよ、

「今日が終わるまでの1週間…俺はてめェに1度だって勝てなかった!」

その発言に対して、疑問符を浮かべる顔にさらにイラつく。あぁこいつだけじゃねえ、自分の個性制御できない巻き戻し女にも死ぬほど腹が立った。

だが、戦闘訓練での氷を使った奴やポニーテールの奴を見て、そして目の前のこの幼馴染を見て絶対にここで1番になってやると告げる。

やっと今日が、この忌々しくて悔しさしか湧かない今日が終わったのだ。




*




入学早々に長い1週間を体験し、やっと次のステップに進むことができた。
そんな私たちに告げられた授業は人命救助訓練。担任の相澤先生にバスに乗るよう指示され、委員長となった飯田くんに指揮を取ってもらいながらバスに乗り込む。
バスに揺られて到着した先にあったのは、なんとも有名な、某テーマパークを思い起こさせる演習場であった。

そこで待っていた13号先生の説明で、まるっきり同じネーミングであることに驚く。最初に先生から注意点を聞きながら、私の個性はどうやれば人命救助に使えるかを考える。いや、人命救助ならそういう結果にならないようにその日をやり直してしまえばいいのだ。しかしそれが分かっていても、やり直したところで自分には過去や未来をどうこうできる程の影響力なんてないと諦める。
まだ小さかった頃に一度、そういう理由で個性を発動したことがある。その時は結局何も変えられず、運命は変えることができないのだと幼いながらに実感したのだ。
過去に思考を巡らせていたところで、

「一かたまりになって動くな!!」

突然の相澤先生の大声に、生徒は呆然とする。何が起こっているのか理解できず、演習場の中心に突如として現れた者たちに目を向けた。
そこには、ワープゲートの様なところから大勢の人間が出てくるという景色が広がっており、私たちは先生言葉に息を飲む。

「動くな、あれは敵だ!」