花京院は命の危険を感じていました。
花京院は命の危険を感じていました。

急遽手配した為本来ならファーストクラスの座席を用意したかったところ、ビジネスクラスの座席しか用意でき無かったと血涙を流しながら告げるSPW財団の職員に戦慄を覚えつつも、ありがたくチケットを受け取る。


そのプロ根性と言うか、仕事熱心な姿勢嫌いじゃあないぜ(白目)と数十分前の事を回想しながら、金属探知機に余裕で引っかかった空条さんを待つ。彼はなぜあの学ランと学帽を脱が無かったのか、そう言えば本編でも全くと言って学ランと学帽は取らなかったな。あれかな?アイデンティティーかな?


「待たせたな」


きりりとした顔でやってきた空条さんに対してため息を吐き搭乗ゲートを親指で指す。


「ジョースターさんとアヴドゥルさんは先に行ってしまったので、僕たちも早く行きましょう。」


「あぁ」


そう促せば何のためらいもなく腰に腕を回してくる空条さん。そして特になんの反応も返さない僕。えぇ、もう慣れましたよ。嫌ななれですけどね。空港に向かうタクシーの中でずっと髪に顔を埋められて匂いを嗅がれて首筋や耳を舐められれば腰に手を回されるなど問題ではない。周りから「ホモかしら、」「堂々としてるわ」とか聞こえるけど気にしない。気にしたら僕の何かが終わる。


何はともあれ、目立ったアクシデントはなく僕たちはエジプト行の飛行機に乗り込んだ。あー、どうしようか、確か灰の塔が乗り込んでいるんだっけ?ここで先に灰の塔を倒してしまってもいいのだけれどいかせん、顔がわからない。


…よし諦めよう!!大丈夫、大丈夫原作だと僕がなんとかしてたし神様がDIOの館につくまでは死なな言って言ってたしなんとかなるなる。ナレバイイナー(目そらし)と言うことで隣に座った空条さんからのセクハラに耐えながら灰の塔が現れるのを待った。早く来い、頼む早く来てくれ



―*―



接続の悪いTVの砂嵐の様なかすかな音を耳が拾う。僕は閉じていた目をゆっくりと開き、不自然なく席から立ち上がり視線をあたりに巡らせる。その行動に隣でセクハラしていた空条さんが眉を寄せる。


「天明?」


「空条さん少し静かに、今なにか音が…」


「私も聞こえたぞ」


後ろから賛同するアヴドゥルさんの言葉を聞きながら法皇の緑を出す。確か灰の塔は最初に空条さんの隣に現れたな。その情報を思い出し視線を立ち上がった空条さんに向ければ大きなくわがた虫が口から体液を垂らしながら空条さんの隣でホバリングしていた。


「っ!空条さん!!隣です!!」


「?!」


僕のその言葉に弾かれた様に白金の星を出しその拳をくわがた虫に叩き付ける。しかし的が小さく速い為空条さんの星の白金のパンチは大きく空を切っただけに終わった。


「は、はやい!!」


「ちっ、」


かわされたことに苛立ったのか空条さんはそのままラッシュを打ち込む。


『ふはははは!!無駄だァ!貴様のラッシュより俺のスタンドの方が速いんだよぉ!!こののろまがァ!!』


ぐじゅぐしゅと口元から体液を溢れさせながら話す灰の塔。汚いので出来れば体液をぶちまけるのは辞めてください。少し気分が悪くなり口元を手で押さえながらアヴドゥルさんの服の裾を引っ張る。


「アヴドゥルさん、あれほどのスピード、僕はスタンド使い本体がこの近くにいると推測するのですが、」


「うむ、花京院君の意見には概ね賛成できる。しかしこの数の乗客を確認するとなると…」


「いえ、確認する必要はありませんよ。スタンドが傷つけば本体にもフィードバックがある。つまり、あれにけがを負わせることが出来れば自ずとスタンド使い本体もわかる筈です。」


「しかし、承太郎の星の白金をもってしても捉えきれないスピードのスタンドを一体どうやって…?」


「それは僕に考えがありますので、アヴドゥルさんは乗客たちの様子に気を配っておいてください。


空条さん!」


灰の塔に向かってまだにラッシュ繰り出している空条さんはぐるんと勢い良く顔をこちらに向けてくる。…こ、怖いなんて思ってませんよ?本当です。花京院君嘘ツカナイ。


さて、巫山戯るのもここまでにして僕はそのまま空条さんに言葉を続ける。


「空条さん!そのままラッシュを続けてください!」


「解った」


『うじゅるうじゅる!!気でも狂ったか!!お前ののろまな攻撃なんか俺には当たらないんだぜ!!』


空条さんは僕の言葉にひとつ頷きを返し先程より心なしか速くなったラッシュをかわし嘲る灰の塔。その余裕一体いつまで持つかな?


僕は微かに口角を上げ、法皇の緑をひも状に変えやつに気付かれないように近付ける。そして、ちょうど法皇の緑が奴の真下に来た瞬間僕は声を張り上げる。


「今だ!法皇の緑!!やつを囲め!!」


『?!』


真下から湧き上がるようにして現れた法皇の緑の触脚に一瞬意識を奪われた灰の塔は繰り出されていたラッシュに対する反応が遅れその小さな胴体には重すぎる一撃を喰らい血を吐きながら吹き飛ばされる。その一拍後にどこかの席から咳き込む音が響く。


「アヴドゥルさん!!」


「ああっ!


見つけた!」


こうして僕はかの有名な台詞を吐くことなく最速で、灰の塔を倒すことに成功したのである。さ、流石に狂い悶えるとは声高に宣言する事は出来ないです。あれ、でも灰の塔って確か、自身の記憶を思い出そうと思考しようとした瞬間ぐらりと体が揺れる。


「うわぁ?!」


「おっと、天明大丈夫か?」


「あ、ありがとうございます。」


空条さんの腕に捕まりながら僕はさっと顔を青ざめさせる。確か灰の塔の奴は機長達を殺していなかっただろうか?


「ジョ、ジョースターさん!もしかしたら機長達が!」


「!!コックピットはこっちか!」


「お、お客様?!」


キャビンアテンダントさんの静止を無視してジョースターさんがコックピットに乗り込む。僕は空条さんに腰を抱かれながらコックピットに入り込む。


「どきなアマ共。」


「す、すみません、一大事なんです。どうか赦してくれませんか?」


キャビンアテンダントさんたちを睨み付ける空条さんにすかさずフォローを入れる。しかし腰に回された手によりキャビンアテンダントさんたちの目線が一気に生暖かくなる。慣れたよ、慣れたよ!!(おこ)


「じじぃどうだ?」


「どうもこうも機長達は皆死んでおるし、自動操縦もものの見事にぶち壊されておるわい。」


「これもやはりDIOからの妨害でしょうか?」


「そのとーり!!!ぶひゃーひゃひゃ!!これで貴様らはもうエジプトにいくk「当身」


「ぐばっ!!!」


「ジョースターさん飛行機操縦経験は?」


「うーむ、プロペラ機はあるじゃがな…」


「解りました。僕がある程度サポートするので主運転は任せて構いませんか?」


「なんだ?花京院お前飛行機操縦できるのか?」


「ええ、少しばかり(ゲームで覚えたとか言えねー)」


「…(誰も灰の塔のことは突っ込まないのだな)」


アヴドゥルさんの生暖かい視線に小首を傾げながら、機長さん達の遺体に黙祷してから遺体を退かす。そのまま機長席にジョースターさん、副機長席に僕と空条さんが座る。足り無かったんだよ…座高が!足りなかったんだよ!!いいんだ!脚が長いから!!(やけくそ)


「天明無理はすんじゃねぇぞ?」


「ええ、解ってますよ。ジョースターさんは大丈夫ですか?」


「うむ?あぁわしの方も大丈夫じゃが、しかし承太郎、花京院これでわしゃ3度目だぞ?人生で3回も飛行機で墜落するなんて、そんなヤツあるかなぁ」


「…てめぇとはもう二度と飛行機に乗らねぇ」

「ジョースターさん席変わりませんか?海水への着水って凄く難しいらしいんですよ。僕頑張るんでそこどいてくれせか?」


「この若者たちの手のひらの返しよう、流石のわしも傷つくぞ?」


この後?ジョースターさん(の紫の隠者さん)が死ぬ気で着水させてくれました。



―*―



「あー、酷い目にあった」


ガリガリと天明は頭を乱暴にかき片眼を閉じる。ジョースターさんが飛行機を無事に海に着水させ今は香港の、とあるホテルに身を寄せている。


「この後は確か、」


薄れ始めた記憶の糸を何とかたぐり寄せこの先の展開を思い出す。確か、ぽ、ポルトガル?違うな、パール?なんかパ行の名前の奴が出てきた気がする。でその後仲間になる。みたいな展開だったはず!よし、花京院ちゃんと(名前以外)覚えてた。そう自身の中で結論づけ、香港でジョースターさん行きつけの飯屋に行くと言うことなのでロビーに向かう。その時ちらりと視界に電柱が移り込む。

「あ、ポルナレフだ…」


ふとした瞬間に忘れてた事って思い出すことありますよね。