11.「夢を見るならおひとりで」

(やっぱそうだよなー・・・)

部屋のテレビでニュースの特集となってるアイスキャッスルはせつ。

普段のアイスキャッスルはせつを知ってれば考えられない程の来客者数。しかし、今日に限っては非公開練習で貸切のために彼らは入ることは出来ない。

しかも、中にはメディア関係者も来てる。

今日はオフのため、ゆっくりと休日を自宅で満喫していた。

暫くはリンクのレンタルは控えとこう。代わりにジムに行く日を増やすか。毎週、二日間だけ体力を維持するために通ってたトレーニングジム。

ミナコ先生に紹介してもらって以来、通い続けて店長とも仲が良い。現役の時には大会先までコーディネーターとしてトレーニングに着いてもらったりもしたことがある。

『なんと、ロシアの妖精と呼ばれる・・・ユーリ・プリセツキーが現れました!』

「は?」

思わず腕に抱いていたクッションを取り落とす。まさか昨年のジュニア大会の優勝者が日本に来てるなんて___しかも長谷律にだ。

金の髪を揺らしながら凶悪な表情を浮かべる少年。思いだすのは三年前。大会後に胸倉を掴まれたのは今でも記憶に残ってる。

(尻尾巻いて逃げるのかって初対面なのに怒られたんだよなぁ)

あの時は本当に怖い思いをした・・・。今思えば、俺を叱咤してくれた優しい少年なんだとよく分かる。

ソファから立ち上がり、部屋の隅に配置されたショーケースに触れる司。ショーケースの中はたくさんのメダルとトロフィー。

刻まれた名は全て自分のもの。