俺はあまりSNSはやらないが他の選手の様子を見る為に登録だけはしてる。自分の情報は何も入力してないから初期状態のままだけど。数あるアカウントの一つだから気疲れはしないだろう。
けれど、ユーリがロシアの拠点であるサンクトペテルブルクに戻った時に脅迫に近いメールが届いて仕方なくアカウントを教える。しかし、それがそもそもの間違いだった。
ユーリは男子フィギュアスケート界に於いては、期待の星であり。将来有望の選手だから人気も高い。あの容姿だから特に女性からモテる。
SNSのフォロワーも沢山いるが逆にフォローしてる人数はごく少数だ。その少数の中の謎に包まれた何も情報がない初期状態のアカウント。ファンは絶対に気になる。むしろ司の与り知らないところで既に話題になっており、その人物は誰であるかと色々とネットでは検索されていた。
俺はそんなことを知らなかったからユーリが何か投稿すれば、とりあえず評価ボタンだけは押してたんだけど。そうでもしないと『なんで見てねーんだ』って怒るけど___正直めんどい。
「俺、司さんがそういうのやってんの初めて知りましたよ・・・」
「ははは・・・なにも書きこんでないぞ?興味本位で作っただけ。いや、でもヴィクトルの更新頻度やばくねーか?数時間に一度のペースくらいで写真付きでアップしてる」
確かに、と豪も頷く。
「ヴィクトルの申請を受け取った暁には司さん、ファンに殺されそうっすね。なんで私のヴィクトルがこんな初期アカウントと繋がってんだーって」
「そうそう、そーなんだよ。何でかユーリのところから辿ってきたのか、申請来た時は焦ったんだって。思わず拒否リストにいれちまった」
そう言えばぶはっと後輩は噴き出す。あの世界のヴィクトルを拒否リストに入れるなんて通常なら有り得ない。こぞって羨ましがるだろうし。
そんなことをやってのけた司さんは猛者だ。
「もちろん、俺たちにも教えてくれますよね?」
「そーくるか・・・分かった。でも西郡家だけだ、これ以上はバレたくねーし」
わかってますって。そうして増えた司のフレンドリスト。一般人との繋がりの増加にますますユーリのファンの間では謎を呼ぶ。