見下ろす景色は愚鈍な革命


09.幸せに気づかない幸せを知って


「……多いな」

少々派手にやりすぎてしまったようだ。目の前に広がるアカ。たくさんの亡骸が李土の足下に倒れていた。後ろに控える一条はコートを差し出す。

それを受け取って羽織ると片手に持ったカトラスを彼へ預けた。

ハンター共は元は人間だ。なのに何故、純血種に挑もうとするのか___。学習能力がない。対ヴァンパイア武器は確かに効果はある。だが、それを使う者に才能が無ければ宝の持ち腐れ。

協会側も少しは使う人間を選ぶべきだとは思うが。

「今日の狩りも見事でした。ハンター共は手も足も出なかったようで…」

「どうでもいい。僕の邪魔をするならば、排除するまでだ」
「そうですね…そういえば、閑様とカナメ様はいつご対面させるのですか?」

「そうだな……。そろそろ会わせてもいい頃だ、しかしアレは少し性格が捻じ曲がっている。カナメに何かしそうだから…」

そう漏らす彼に一条は微笑む。

「李土様はすっかり変わられましたね。親の顔をしておられる…」
「僕は子を持った覚えはないぞ一条」

ギロリと睨む彼に慌てて頭を下げる。主の怒りは収まったようで…。

「さあ、屋敷へ…」

一条の言葉で二人は黒塗りの車へと乗り込んだ。

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