13.削り取られたまま世界は踊る

太陽が昇り始め、朝が始まろうとしていた。そんな中、狩りを終えた俺は疲れを感じながらも帰路に着く。

当麻に無理やり押しつけられた彼の分身は目的を遂げると共に、その場で煙のように飛散して消えてしまった。

不服ではあるが役には立った。目的のレベルEのヴァンパイアはあまり目撃情報が少ないしどこに潜伏しているかは不明だった。

ただ、ある場所を重点的に二十代の女性が多く狙われていたというだけ。

それもまだ明るい昼間である。ヤツは裏をかいたとは思っていただろうが、意味を成していなかった。

日が経つにつれ自我が無くなり、本能のみで襲っていた。結果てきには被害が増えたことで、明るみになったのだから。

だが、最後には皆同じことを言うのは何故だ?本能が戻るということなのか。

「これで人を襲わなくて済む」と___。

全ての原因は純血種にある。人間との共存を望む者とて例外ではない。

「僕達がお前達の人生を狂わせたのだ・・・その責は取るつもりだ」

戻る / 次へ

Back

合計26ページ

Home