08.自己健忘

「千里・・・僕に似てる」

二人から貰った集合写真。俺の兄妹、子供や彼らの知り合いの者達が幸せそうに写ってる写真だ。ただそこに李土だけは居ない。望んだ事だからそれでいいんだ___。

実子である支葵千里は無表情だがわずかに遠矢家の娘に笑いかけている。

「大伯父さんは千里さんとは話したことがないんだっけ」

クッションを抱えて寝そべる恋はこちらを見る。

「愛に聞いたけれど、僕は・・・玖蘭家の遠縁の子供を使っては会ってたと」
「え、ナニソレ。大伯父さんってストーカーじみてる・・・」

「違う!・・・たぶん」

記憶が無いからはっきりとは断言できず自信がない。だがきっと、今の自分でもそんなことはしないぞ。

「まぁ大叔父さんは見た目に合わず人見知りするってカナメ伯父さんに聞いてるから。そうするのも分かる気がするけど」

(この人は大切な人のためには何でも出来るけど。自分のことはてんでダメだから俺も姉さんも放っておけないんだよ)

ヴァンパイアとしての彼を倒したのが父さん。この話をした時に息子の俺のことを恨んでると思ったけど・・・逆に彼は抱きしめて優しく頭を撫でてくれた。

もう苦しまなくていいんだって。ありがとうって。

カナメ伯父さんが居た時は常にそのことを負い目に思ってしまったから。俺の父が叔父さんの宝物を奪ってしまったんだと___。

「恋?どうしたの、泣きそうな顔してる」

視界いっぱいに広がる李土の顔。恋の頭を撫で心配そうに首を傾げた。

(・・・うん)

「気のせいだよ。姉さんを迎えに行こう?」
「ああ、そうだな」

俺と姉さんは寂しかったんだ。もうほとんど家族も知り合いもいないこの世界に二人ぼっちだったから。



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