許されたいと願う春の午後にA

「ほら、もっと誠心誠意心から謝りなさい!
姿勢が悪い、もっと頭を下げなさい…腰が曲がってるじゃないの!!

あらまだ反省してないのかしら」

背中に足を乗せ、悪どい笑みを浮かべる人物に沸々と怒りがこみ上げる。
だからといって反抗する勇気は自分には無いのだが。

これで何軒目だろうか。

「お姉ちゃん…その子もそんなに謝ってくれてんだもう良い「被害者は黙って謝罪を受け入れてなさいな!」…ハイ、分かりました!!!」

ケイナの気迫に負けた店主は軍の人間でもないのにびしっと敬礼をする。

そう、己が今まで盗みを働いていた全ての店を謝罪巡業といって彼女に謝罪をさせられているのだ。


そしてここが最後の店であった。


「まぁちょっと気に食わないけど、店主さん満足かしら?」
「満足であります!!もう、帰ってくださいであります!」


最早語尾がおかしい。

そして気に食わないって…もはや自分主義じゃねぇかよ。

「じゃあ、行こうか。
アキラ…10分以内に荷物纏めてここに集合」

「はぁあああ?どういうことだ「さ、今からスタートよー10分以内に来れなかったら何してやろうかしら」わぁーったよ!!」