許されたいと願う春の午後にC

(遅い…遅い!!)

もう既に10分以上経過している。
時間厳守だとあれだけ言ったのに。

これはもう、締めるしかないわね…考えるだけでゾクゾクするわ。

悪どい笑みを浮かべる彼女は周囲からは奇異の目で見られていた。

そのせいか、混雑する道は彼女の周りだけ綺麗に空いている。


「はぁ……どこまで行ってんのよ」


ため息をつき、時計を見たときだった。
ピピピっと携帯が鳴り響く。

ジャケットのポケットから携帯を取りだし、画面を開けば養成所からの連絡。

「はい、認識番号20156…ケイナ・ヴィッセルです」

『こちら陸軍養成所教官のリンダ・ツイストだ。
今回の任務だが、お前がいる国の紛争状況については分かっているだろう』

「えぇ…自治政府と民兵組織との衝突でしょう?
民兵たちは確か、ヴェルニコフという男の手下達で構成されていると」

『その通りだ。そして、先ほど___目標の人物がヴェルニコフによって連行されたと情報が来た』

「まさかっアキラが!?」

『既に接触していたのか、まぁいい。
よって、早急に目標の救出及びヴェルニコフとその手下の一掃を命ずる』

「ハッ!了解しました」

ぷつん、と通信は切れた。
ケイナは携帯をしまい、顔を引き締める。

これから任務を開始する、当初とはかなり作戦が違ってしまったが。

イレギュラーは付き物だ。