アンジェリーナが用意してくれたココアと暖炉が芯から冷えた体を温める。
体が温まると涙も少しずつ止まっていった。


ジョージが手を引いてくれている間、私はずっと泣いていたのだ。
知られたくなかった事をマルフォイに知られた。
多分きっと、明日にはホグワーツ中が知っているだろう。


「アキカ、ごめん。もっと早く見つけられてたら、マルフォイにあんなこと言わせなかったのに……」

フレッドとジョージが申し訳なさそうに目を伏せる。
アンジェリーナとアリシアは私を挟むように座り、泣き止むまで肩や背中を摩ってくれた。


マルフォイ達に涙が見られないように目を隠してくれた時、呼吸が乱れていた。
きっと広いホグワーツを探してくれたんだろう。
マホウトコロの、友達とは名ばかりの彼らとは違う優しさに、また目が潤む。


「どうして優しくしてくれるの?私、みんなにずっと隠し事してたのに……」


「あのね、アキカがマホウトコロで何かあって、それに負い目を感じてることも、私達に知られたくないのも分かってたわ」


「アリシア……」


「それでもいいと思ってたのよ。人には触れられたくない部分があるものだし、いつかきっと話してくれると思ってたの」


皆、私を信じてくれていた。
黙って待っていてくれたんだ。
心がジンワリと暖かくなり、マルフォイの時とは違う涙が零れた。


「あの……さ、アキカ。俺、マルフォイから何があったのか聞きたくないんだ。アキカから聞きたい」


言いにくそうにフレッドが口を開いた。
アンジェリーナがフレッドを責めようと、立ち上がるのをそっと止める。

フレッドの強い眼差しが、柔らかく背中を押してくれる。
信じてくれていた人達へちゃんと、自分の口から話そう。
私も彼らを、信じたい。


「長い話になるけど、聞いてもらえる?」

「……当たり前だろ?明日はクディッチの練習もない、日曜日だ。いくらでも付き合うさ」

ジョージの兄のような笑顔に心が少しだけ解れる。


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