05 


 ――あなたは、向いてないわね。
 ――……え?
 ――あなたがしているのは、演技じゃなくて真似っ子。それが許されるのは小学生までよ。
 ――え、あのっ……
 ――やり直していらっしゃい。あなたが演劇を始める前からね。
 ――……
「……」
 一留が、ぐしゃぐしゃになってしまったシーツを掴む。目を閉じる前までは眠るつもりなんてなかったのに、内なる自分が絶え間なく襲い来る眠気に耐えられなかったようだ。酷い夢を見たような気がする。パソコンから手を離して空を仰ぐように倒れ込んだベッドの上でぱちぱちと瞬きを繰り返した一留が、はっと何かに気が付いたかのように、電源を入れたままのパソコンを振り向いた。
 ――『新生夏組旗揚げ公演.wav』42MB
「あー……よかった、ちゃんと保存できてて」