欲望


先日、TVで花見についての特集を見ていたら見に行きたくなった。とは言うもの行くなら酒飲みたいし、食いたい…と言うことでお財布…もといなまえさんを誘った。


漱石さんのお札を握りって、多数買う俺。そしてなまえさんを探すとナンパ野郎が肩に手をかけていて、一応追い払おうとした。…がカップ酒飲みながらの睨みで退却させたなまえさんだ。薄暗くて、美人に見えたのだろうナンパ野郎も残念だな。なんしろ相手がなまえさんだからな。
いつもの調子でレジャーシートの上に…なまえさんの隣に座り、買ったものを食い始めた。川辺の桜のせいか、はたまたムード漂うライトアップのせいかなまえさんがやたら綺麗に見えた。手元には、イカとカップ酒なのにな。そんな俺の視線に気が付いたか知らないが美味しいらいイカをくれると言う。突き出されたイカに何故か戸惑った俺だ。…なんつーか、間接キスと言うかあーんと言うか…ま、この人だしな、気にしちゃいけねぇ。

気持ち良く呑んでいたのになまえさんは、金の話をする。そんな色気もへったくれもない女だ。そんな感じなのに酒に入っていた桜の花びらが唇に付いて、なんで無くなったんだろ的にカップ酒に目線を落とす仕草は多少…多少は!可愛かった。そんなせいだ、思わず俺の方に向かせると意外と大きい瞳がキラキラしていた。だから、ふにんと柔らかい唇の花びらを取ってやるサービスをしてやったんだ。










「新開君、コタツもう片付けるよ」

土曜の昼間、なまえさんが天版を外そうとする。イヤイヤ、せめてGWに片付けようぜ?

「いや、まだだめだ」

浮いた天版を戻そうとする俺。

「いった!手ぇっ!挟んでる!アホ新開!」
「あ、悪い」

顔を歪ませて挟んだらしい人さし指を口に含んでいるなまえさん。すぼめた唇がなんつーか、少しエロい…?…ダメだ、なまえさんに対してそれを思ったら欲求不満の時期なんだ。よし明日出掛けよう。

「ふん、夕飯新開君だけ水だから」
「やめてくれよ、それは」












次の日なまえさんに起こしてもらい、いつも通りに美味い朝食を食べる。

「出掛けるって言ってたけど、夕飯はいるの?」

朝食を食べながら夕飯の話をする。

「もちろん。カツ丼が良い」

絶対腹減ってるからな。

「良いよ」
「おお、意外とすんなり受け入れてくれたな」
「だって簡単だもん、スーパーでカツ買ってきてカツ丼にするし」
「え、カツもなまえさんが作って欲しい」
「えー、面倒…」

ため息をつくなよなまえさん、幸せ逃げるぜ?心の中で付け足しながら、適当な服を引っ掛け、いざ出陣。

「いってらっしゃい」

真顔で気の抜けた感じに見送ってくれるなまえさんだ。



フラついていたら声がかかったので、ノコノコついて行く。もちろん金がないと言い、向こうの奢りだ。
今日は可愛い系。多少化粧は濃いが…というかなまえさんが薄めなんだよなぁ。柔らかい肌を揉みながらそんな事を考える。
そういやなまえさんって性欲とかあんのか?ま、こーして空いている時間で発散させてるかもだしな。この俺のお出掛けは必要だろう…喘ぎ声をBGMに下世話な事を考えながら胸の先端を舐め、下半身に熱を持たす。

「なぁ、おめさんは1人でする時あーいうおもちゃ使うのか?」

簡易自販機を指差す。

「やだ、えっちー。使ったりするよ?」

へぇ、そうなのかとか言いながら指を突っ込む。なまえさんは持ってなさそうだよなぁ。そう考えている間に完全に立ち上がった。
ゴムつけて挿入…、んー…この間よりはマシ。正常位で好きにピストン運動を繰り返す。つーか、うるせぇな声。しょうがなしに俺の人さし指を口に突っ込むと舐めてくる女。瞬間昨日のなまえさんの指舐めが頭に浮かんだ。

「っ」

瞬間ゴムに吐き出した俺。なんつーか、なまえさんの指舐めでイッたみたいで非常に気分が解せない。

「もう一回いいか?」

笑顔になる女がもちろんと言ってくれるので、ゴムを取って舐めさせた。バックで再度口に指を入れながら、腰を振る。
…あー、腹減ったぜなまえさん。カツ揚げてくれてるかなぁ、あの揚げ方ちょうどいいんだよな。なまえさんの…。


さっさと服をきてラブホを後にする。あー…疲れた、最後どうしてもイけなくて、足ギュッと閉じさせてたからなぁ。腹減ってるらしくなまえさんの顔がチラついて困った。






気だるいままアパートに帰宅する。

「おかえり」

部屋に入るといつものほぼ真顔のなまえさんだ。少し気まずいがなんだかホッとする。

「ただいま」
「プッ、また女?だから香水キツイって」

近寄ったら噴き出すように笑うなまえさん。

「…歩いてたら絡まれたんだ、しょうがないだろ?」

そうだ、嘘は言ってないぜ。

「そりゃ、お気の毒に」

さも興味なさそうに言い放たれた。ヤベェな…次からシャワー浴びてくるかな。バレても良いのに、なぜかバレたくなかった俺だった。


カツはなまえさんが揚げてくれてあった。面倒と言ってたのにな…思わず抱きしめたくなった。イヤイヤイヤ、昼間出し足りなかったのかもしれない。

「このカツ丼、すげー美味い」
「ハイハイ」

いつも通りつれないなまえさんだった。

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