寝坊


「ああ!!」

ある朝、隣の部屋で寝ていたなまえさんの驚いた声で目を覚ます俺。

「あーもうっ!寝落ちしちゃってた!」

慌てるなまえさんを見るに、スマホが充電されていなく、設定してあった目覚ましが鳴らなかった…という事らしい。時計を見るといつもより確かに少し遅い。朝の30分は大事だからな。

なまえさんは充電しながら、俺に目をくれずにバタバタと用意し始めた。
…なんつーか、こう素で焦っているなまえさんを初めて見た気がする。いつも自分の身なりを整えてから俺を起こしてくれたりするからこんなボサボサの髪の姿を見た事は少ないな…。だがどうしてかそれすら可愛く写る俺の目だった。

「新開君、朝適当にコンビニでも寄って買って食べて!」
「OKなまえさん」

バタバタ用意しているなまえさんをよそに俺も適当に用意する。が、所詮男…5分、10分もすればある程度になるから俺は余裕にスーツに着替え終わった。むしろ俺はいつもより早く起きたくれぇだからな。
それに比べてなまえさんはいつもより30分程遅れて起きたらしいから少し余裕なさそうだ。なまえさんが俺の部屋との引き戸を開けたまま、化粧をしていく。俺の目にはその姿も何か戦闘に向かうみたいでカッコ良くすら写るだ。

「なまえさん、服選んどくな」
「は!?ぅ…、…じゃぁお願い」

思いついた案を口にしてみたらそれなりに案が通った。一応俺の服のセンスは認めてもらっているのかもしれねぇな。鼻歌まじりに、ガラッと開けたクローゼットから出来るOL姉ちゃん風な服を選び出す。
そして選んでおいて悩む…この姿他の男に見せるの惜しいな。少しスリットの入ったこのスーツは俺の好きなやつだしなぁ…そんな俺のモヤモヤした心を気にかけるわけもなくなまえさんは化粧をしていた。

俺が並べた服をなまえさんが部屋着を脱いで着ようとする。モヤモヤした俺の手は下着姿のなまえさんの手を引き寄せた。そして少しグロスがついた艶やかな唇にキスをする。ふんわり香る甘い匂いに誘われたっていう事にしよう。

「ん…!?」
「おはようのチュウがまだだろ?」
「っ!いつもしてないでしょ!?ちょ、落ちるから!」

焦る下着姿のなまえさんの身体を両腕で固定しながら、逃げようとする舌を捕らえて絡めていく。

「…っン、ぁ…」

そして少し漏れる吐息につい手が動く。始めにあったウエストから這い上がり、ブラの頂点に達した。ブラの上から人差し指を入れて可愛いピンクの頂を探して摘むとビクッとする身体…そりゃ俺が色々教えこんできてる身体だからな。そう、ほくそ笑みながら撫で回した。

「っぁ、っしん、かいくん!」
「何だ?」

摘んで揉みしだく様にしながら、少し紅潮していく好きななまえさんの顔を拝む。唇の間から熱い吐息が聞こえてきてググっと身体の中心に熱がこもる。
それなのにグイッと身体を離された。

「仕事!いくから!」
「ああ、俺も一緒に出る。でもあと5分は余裕だろ?いつも出る時間には間に合わせる」
「な…な何言ってんの!?」

珍しく声を上げて焦るなまえさんの口を再度塞ぎながら、嫌がるなまえさんのブラを外して、ショーツの横にずらした。
下の口に手を伸ばして指を這わせると纏わり付いてくる肌が待っていた。何度も何度も割れ目と敏感な突起を往復していると、溢れ出す様に濡れてきていたそこは俺の指をすんなり飲み込んだ。なまえさん元からそこそこ敏感だったし、まぁ…最近は俺がいじってるし更に増してきたしな。そんな俺のシャツにしがみついて腰を震わせるなまえさんが軽く絶頂に達したのか俺の指を締め付けた。

「んっ、ぁ…!!」
「…仕事前のマッサージだ、悪くないだろ?こことか解れたんじゃないか?」
「はぁ…やっぱ、新開くん…はぁ…ばかでしょ…っ」

数分キスをしながらグリグリと掻き回したり、抜き差ししていた指を引き抜く。その濡れた指を口に含む。

「朝ごはんねぇからな、なまえさんの味で我慢することにしたんだ」
「っもう!」
「ほら、こんな事もあろうかと下着も選んでおいたぞ。なまえさんパンツすげぇ濡らしちまったしな」
「〜っ!こんな事したのは新開君でしょ!?」

焦るなまえさんは、俺にあっち向いててと言いながら僅かに引っかかっていた下着を脱いで俺の選んだ黒のレースの下着を穿いていくのを目の端で捉える。黒い下着が良い肉つきのお尻を程よく隠した。そしてストッキングとそれなりにスリットの入ったタイトなスーツスカートを着て、カットソーの上にジャケットを装着した。瞬間仕事モードに入ったなまえさんに見惚れたんだ。

「ヒュウ、カッコイイな!」
「っもう!仕事行くよ」

あっち向いてろって言ったのに…とブツブツ言っているなまえさんは、俺に顔を見せない。あぁ、本当可愛い…なまえさんの後ろで再度愛液染み込んだ指を舐めた。

でも俺の選んだ服は間違いないはずだ、なまえさんがいつもよりカッコよくまた可愛く見える。そしてあの黒のレースの下着は俺のお気に入りだ。あぁもう全身俺の物の気がしてくな。いや、違うな…初めから俺の物だからな。そのふてくされる姿を見てなまえの背後で一人頷いた。


一緒にアパートを出て足早ななまえさんに歩幅を合わせて駅に向かう。濃かった朝からの別れ際が寂しくて、なまえさんを引き止める。そして寝癖だけを直した長い髪の束を取って唇を落とした

「帰ったら続きな」
「…わ、分かったから!ここ外!」

ふいっと改札に向かう後姿の耳は赤かった。さて仕事早く終わらせて帰らねぇとなぁ…先ほどなまえさんが握り締めて少しシワになったシャツを触る。たまにはこんな朝も悪くねぇな、そうニヤつく顔を手で隠して階段を降りた。
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