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(佐藤君視点:自己判断でお願いします。読まなくても話つながります)

















みょうじとは中学3年間同じクラスだった。綺麗系と可愛い系どちらとも言えるし、ちなみに俺は綺麗系だと思ってる。そして特に目立つ方の人間でもないし、暗くもなく大人しめの印象しかなかった。ただやたら雰囲気読むのが上手い奴だった。これに気付いたのも中学3年だったけど。
まぁちょっと俺が友人間でいざこざがあった時、フラッと寄って来て話をした。みょうじは話を聞くだけとにかく聞いてくれた。そういう時には否定はしない。なのでなんだか話してしまうオーラを持っていた。
まぁそこから少し気になり出したのがきっかけだ。よく観察していると、女子の中で仲間はずれになりそうな子がいたら、よく話しかけていき知らぬ間に関係を修復させたり、他の男子の話もよく聞いてたりする。それも気付かないくらいさりげない。

一度みょうじになんでそんなことしてんのかと聞いたことがある。
「えー、やだ佐藤君、趣味人間観察なの?」
と茶化されたが、粘って理由を聞き出した。
「...正直、だれがどうしようと関係ないなって思う、面倒だし。ただ、イジメたりするのは見るに耐えないし、関わりたくもない、だったら誰も気付かないうちにイジメとかになる前に戻すだけだよ。私の普通の学校生活を守ってるだけだから。」
大人しそうな見た目に反して、意外と図太そうな印象になった。いや、サッパリしていると言ったらいいのか。
あえて空気読まずに嫌な空気はぶち壊すし、冗談を言えば切り返しは早いし、中々大人しめの見た目に反して面白いギャップにやられたようだ。

魅力に気付くクラスの男がちょいちょいアタックするが暖簾に腕押し、笑えるほど手ごたえなさすぎ。穏やかに受け流す。そうこいつ、落とせそうに見えてガードが硬いったらねぇ。ただ、男心をくすぐるツボを心得ているのか、つい男が勘違いする。


そんなみょうじは、中学ずっと荒北を見守ってる雰囲気があった。誰からか幼馴染だと聞いた、荒れる荒北にちょいちょい話しかけてウザがられてる。が、荒北だって気にしている人間がいるだけ救われることもあるんだろうな。俺としては凄い羨ましい。

みょうじはずっと新体操をやっていた。コソッと練習を覗いたときにやたら綺麗で思わず見惚れた。だから高校も新体操をやるんだと思っていたから、まさかの同じ学校で嬉しいが残念だった。
さすがに高校では別のクラスだったが会えば変わらずサラッと話しかけてくれるみょうじに愛しさを覚える。

2年になって同じ委員会になったのは良かった。ただ2年になってからやたら荒北とみょうじの仲の良さが気になった。中学そんなんじゃなかっただろお前ら。
そんな矢先、テスト前に頭をスッキリさせようと夜ジョギングしていたら2人でコンビニでも向かっていそうな姿を目撃した。荒北は優しそうな顔で話しているようだし、みょうじも満更でもない様子だった。荒北お前そんな顔できたのか?

学校ですれ違った荒北に聞いたら、付き合ってねぇと言われた。アレでか?何こいつら無意識なのかあの距離。

前夜祭の側転からのバク転はやはり綺麗だった、腹チラつきで更に良かった。それでいて成功した瞬間、晴れ晴れとしためちゃくちゃ良い笑顔で笑うので卑怯だと思う。俺はバク転とか出来るの知ってたけど、周りの反応は凄かった。見た目に反してやたらカッコ良かったしな。お前同じ中学だったっけ?とみょうじのことを聞かれた。みょうじお前俺の敵増やしてんじゃねぇよ。結構この後夜祭で有名になったみょうじが遠く感じる。俺昔から知っているのにな。


どうにも見込みのなさそうな想いだったけど、伝えないと終わりにはならなそうなので伝える事とした。2人になれそうなタイミングで、2人になった時心臓が壊れそうなくらい心拍数が上がった。見つめてくるみょうじは中学より大人びて綺麗だし、想いを伝えたら伝えたで、真っ赤な顔して照れて可愛さを増す。
「...ゴメン」
と共に俺の想いも終わりを告げた。
あーあ、もう少し押せたらいけたかもしれない。まぁそう思わせるのがみょうじの悪いところなんだけど。
ダメもとでイベント用のブレスレットを頼んだら、アッサリ良いよとか言う。思わずか細い手首を引き寄せても抵抗しねぇし、その上撫でてくるとか本当嫌な女だ。本当男心を分かってねぇ、それで余計未練残るっつーの。

俺の「意地悪してゴメンね」はみょうじに向けてじゃない。

人の恋路に聞き耳たてるとかいういい趣味してる荒北に対してだ。
ここ保健室の隣の階段だから、おそらく保健室に用事あってきた荒北が途中から一部始終を覗いたり聞いたりしてたのは向き的に俺だけが気付いてた。
だから、余計に手首を引き寄せたりしてみた。おそらくみょうじを奪っていく荒北へ対してのせめてもの嫌がらせだ。みょうじだってせめて今日くらい俺の事で頭いっぱいになって欲しい。

とりあえずこれで荒北は自分の気持ちを再認識すればいい。油断して痛い目みればいい。あーあ、くそ、折角なら抱きしめときゃ良かった。
にしてもあれは悪い女だ、荒北が覗いているっていうのにガードが甘い。



...とりあえず、荒北と鉢合わせしないように別のルートで高速移動をしなければ。会ったら殴られそうだからな。


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