原稿は締め切りまでに

「あぁ!忙しい、忙しい…!!乱菊さんとこの原稿はまだか!?」

「まだのようです」

「何っ!?」





頭を抱え、大慌てで仕事に取り組んでいるのは九番隊副長の檜佐木修兵。彼は瀞霊廷通信の編集の方も担当している。…よって他の死神たちより忙しさが二倍だと言っても間違ってないだろう。そのときだった。





「檜佐木副隊長、六番隊の原稿が出来上がりましたのでお届けに上がりました」

「おぉ!藤宮三席!いつも六番隊は早めに原稿を届けてくれるんで助かるよ」

「いえ、このくらい大したことではありませんので」




にっこりほほ笑みながら修兵に書類を手渡す憂。




「それにしても……今日はいつも以上に慌ただしそうですね…」

「…あ〜今は締め切り直前だから立て込んでて…」




乱雑に頭を掻き、苦笑いしながら修兵は告げた。




「私でよろしければ何かお手伝い致しましょうか?」




憂のその一言は激務に追われている修兵にとって何よりも嬉しい一言ではあるが、素直に甘えるのは少々気が引ける。




「いや、けどそちらさんだって忙しいのに変わりないんだろうし…」


「今日はもう定時なので手は空いてますよ。何より…」




じっ…と修兵を見上げたかと思えば、ゆっくりと彼の頬に触れた。




「檜佐木副隊長の顔色が優れませんし……」


「…っ!」


「こんなに頑張っている貴方をほっといておくことなんて出来ませんから」





彼女の優しい笑み、程よい体温が修兵に伝わってきて…修兵は思わず息を呑んだ。





「ふふ…では、私にも手伝わせてください。まずは乱菊さんのところに書類を受け取りに行ってきますね」





それではまた…と、修兵に軽く頭を下げると憂は編集部の執務室を退室したのだった。





「…あぁ、やべぇ…!よぉぉし!次のテーマは決まったぞ!!次回は藤宮三席の特集決定だ!早速取材の準備も取りかからないと!!告知も大きな見出しにしてだな…!」




原稿は締め切りまでに




来月は美人聡明な六番隊第三席藤宮憂特集!!と、次号の宣伝が大きく載ることを憂が知るのはもう少し先の話。