姉代わり
「姉様!!」
朽木家に足を運ぶと、恋人である白哉の妹、ルキアが可愛らしい笑みを浮かべてこちらに近寄ってきてくれた。
「ルキアちゃん…"姉様"って呼ばれるのは嬉しいけれど、私、そう呼ばれていい身分では…」
「何をおっしゃいますか!姉様は私にとって本当の姉君のような方です!それに、姉様はいずれ兄様の奥方となられるのですから、私の義理の姉様になられるでしょう?」
「奥方…!」
ルキアの予想外の言葉に頬を赤く染めていく憂。…両家の間でも、貴族たちの間でも、白哉と憂が恋仲であることは周知されている。…が、それを鼻にかけて堂々と振る舞える度胸を憂は持ち合わせていない。
「こほん…えっと、確かに私は白哉のこと…お慕いしているけれど、白哉は私とのことそこまで考えて……」
「いないはずがなかろう」
「!?」
またまた予想外の言葉に憂は声を失くして驚いた。そしてゆっくりと声のした方へと振り向くと噂の本人の姿があった。
「白哉兄様!」
「びゃ、くや…!え、嘘…いつの間に……」
「ここは私の屋敷だ。我がいるのは当然のことだろう。それに兄は我に会いに来たのだろう」
「それは、そうだけど……」
ルキアちゃんとのあんな会話を聞かれていたかと思うと恥ずかしくて、何だかこの場に居づらい。
「それでは兄様、姉様。私はこれで……」
「え、ちょっと…ルキアちゃん…!」
二人に気を遣ったのか、ルキアはこの場から立ち去って行ってしまった。残ったのはもちろん、憂と白哉のみ。
「…えっと…ルキアちゃんって、ほんといい子ね…あんないい子を妹に持てている白哉が羨ましいわ」
「そのうち兄の妹にもなる」
「っ!!」
白哉の一言に憂はまたも赤面を浮かべる。
……朽木兄妹はどうしてこうも人を驚かせるような発言を顔色変えずに言えるのだろうか。憂一人がどきまぎさせられ、頬の赤さを隠すように両手で頬を覆い隠したのだった。
「…その、私も白哉のような…ルキアちゃんのいい姉になれるかしら」
「憂なら問題なかろう」
「ありがとう、白哉…」