死神代行
彼に出会ったのは、朽木家の屋敷内だった。
「貴方が、死神代行の黒崎一護君?」
「え?誰アンタ?見覚えねーんだけど……」
話し掛けてみると、彼は頭を掻きながら眉間に皺を寄せてこちらに視線を移した。
「この馬鹿者!!」
そして次の瞬間、彼は一緒にいたルキアちゃんに思い切り後頭部を叩かれていた。
「痛ぇ!?急に何すんだよ、ルキア!!」
「姉様になんて口を聞いているのだ!姉様に謝れ!!」
「姉様って…この人、ルキアの姉ちゃんかよ!?」
「…ふふっ」
二人のやり取りに初めは呆気に取られてしまったけれど、見ていたらおかしくて…つい笑いを零してしまった。
「…姉様、すみません。一護は礼儀知らずな者で……」
「おい、なんだよその紹介はよ!!」
「いいか一護!?姉様はだな、上級貴族の藤宮家の方で、兄様の妻になる御方だ!!」
「びゃっ白哉の妻ァァ?!」
「…ルキアちゃん、それはちょっと気が早い、かしら…」
ルキアの言葉に憂は苦笑しながら答える。おかげで一護君は今にも目が飛び出てきそうなくらい驚いている。
「あ、あんたがあの白哉の…妻ァァ!?」
「ま、まだ…ていうか、妻じゃなくて……その、彼をお慕いしております」
羞かしげにそう答えると、一護はあんぐりと大きく口を開きながら黙り込んでしまった。
「…あの白哉の恋人がこんな優しげな感じとか…やべ、一緒にいるとこなんか想像出来ねー…」
「それはどういう意味だ、黒崎一護」
「うわぁあ!?びゃ、白哉!?」
「兄様っ!」
「…白哉、お帰りなさい」
いつの間に帰ってきていたのか、白哉がそこに立っていて、一護は大声を上げて驚きを隠せなかった。
「…黒崎一護、用が済んだなら早急に我が家から立ち去れ」
「白哉、それじゃ彼に失礼よ…」
「それより憂…」
「…はい?」
「…あまり他の男と話すな」
ぷい、と不満そうに顔を背ける白哉に、憂は小さく頷き、白哉の手を取ったのだった。
「…まじかよ…あの白哉が嫉妬…!?」
「やかましいぞ、一護」