愛され彼女
「羨ましいわよ〜憂!」
「うひゃあ!?」
十番隊に書類を届けに行くと、何故か真っ昼間から酔っ払った乱菊に抱きしめられた憂。
「ら、乱菊…さんっ……!く…苦し…って言うかお酒くさい…?」
「ま〜つ〜も〜とっ!!テメーは何昼間っから酒飲んでんだよ!!」
日番谷隊長の怒鳴り声が響き渡るが、今の乱菊には通用しない。お酒を飲み、完全に出来上がってしまっている。
「…悪ィな、藤宮」
「いいえ、もう慣れてますから」
ふふ…と誰もが安心してしまう笑みで返す憂。そんな憂に日番谷も苦笑の笑みを返す。
「ね〜え、憂〜今朽木隊長とどんな感じなの〜?」
「朽木隊長と……?」
「そうよぉ〜やっぱ相変わらずラブラブなのっ?」
「らっ…ぶラブなんてそんなっ……私はただ、あの人の優しさに甘えっぱなしなだけで……」
私が困ったときにはいつもあの人が傍にいて、支えてくれている。それが嬉しく思うときもあれば…あの人に迷惑を掛けてしまっているのではないかと不安になるときもある。
「それに、あの人は…四大貴族の朽木家の当主様。…いくら私の家が貴族だからと言って、位が違いすぎますので釣り合うはずもないですし……」
先程の笑みとは違って、少し物寂しげな瞳を浮かべる憂。不安げな憂に乱菊は笑いながら言った。
「いいじゃないっ!甘えさせてもらえるんだから」
「え……」
「普通嫌だったら甘えられたって冷たく跳ね返しちゃうわよ。しかも相手が朽木隊長なら尚ね」
お猪口にまた酒を注ぎながら話続ける乱菊。
「それに、私から見たら朽木家も藤宮も十分立派な家柄じゃない。憂が後ろ向きに考えすぎなのよ」
「そう、なのかしら……」
「そーよっ!いいじゃない、好きで一緒にいれるんならそれだけで」
ポンポン、と優しく頭を撫でられると……今度は憂が安心した番だった。
「…いつもありがとう、乱菊さん」
「ほらっ早く旦那さんのところに帰んなさいっ!きっと憂が帰るのを心待ちにしてるわよっ」
「わっ!?…はい」
乱菊に急かされ、憂は急いで執務室へと戻ったのだった。
愛する彼が待っているであろう、その姿を思い浮かべながら。