心配そうな表情
「藤宮憂三席、隊士たちを連れて任務に行って参ります」
「憂さんが任務に出るとか久々っすねぇ〜」
「いつも恋次君に任せっぱなしだったから…私もたまにはできるところを見せないと」
恋次の言葉にくすくすと笑い声を零しながら憂は答えた。
「それでは朽木隊長、行って参りますね」
「………あぁ」
こちらに軽く視線をやる白哉。その表情は少し硬く、瞳は不安げなものがあることを憂は見逃さなかった。
「…恋次君、少し時間もらっていいかしら」
「え…あぁ!…いいっすよ、別に」
憂の言葉の意味を読み取った恋次は適当に頷くと、執務室を出て行った。部屋には白哉と憂の二人きりとなった。
「…白哉、大丈夫よ。私はちゃんと戻ってくるから」
一歩、また一歩と白哉の方へと歩み寄る憂。彼の隣まで辿り着くと、自分より大きくしっかりとした手のひらに手を伸ばした。
「……だから、そんな心配そうな表情浮かべないで…」
つられて私も何だか不安になっちゃうわ……なんて、冗談混じりに話す憂のを、白哉は再び目を向けた。
「……無事に帰ってくるのだぞ」
「ええ」
微笑み返すと、そっと白哉に引き寄せられ、抱きしめられた。…愛する人にこうも心配され、自分は幸せ者だ。
そっと白哉と顔を見合わせれば、先ほどよりも少し柔らかい表情になった彼を見て、憂は胸を撫で下ろしたのだった。