久々の任務


「破道の三十一、赤火砲!」




得意の鬼道で目の前にいた虚を倒す憂。今は久々に虚退治の任務に出ていて、六番隊の隊員たちも何人か率いていた。





「…っ藤宮三席!こちらも、なんとか倒し……」


「そう、ありが…っ?!」




隊員の声に反応し、振り返ってみたら…隊員が倒したという虚がゆっくりと起き上がっているのが目に入った。




「危ない!」


「え……っきゃあ!?」





虚また攻撃を繰り出すのが読めた憂は咄嗟に隊員を庇い出た。





「…くっ…」




憂の左腕から血が滲み出ていた。…出血は酷いものの深手という程のものでもない。





「……貴方、怪我はない?」


「わ、私は……けれど藤宮三席が…!!」





動揺を隠せないのか、隊員は目を大きく開き、申し訳なさそうに顔を俯いた。




「かすり傷よ……それより、来るわよ…!」




腰に掛かっている憂の相棒、斬魄刀に手を伸ばした。





「清え、水乃」





瞬時に斬魄刀を解放し、虚を倒してしまう。その技は彼女の性格を表しているようで、美しく、見ていた者が思わず目を逸らせなくなくなるものだった。





「…これで皆倒したわね…さて、戻りましょうか」


「三席っ…急ぎ怪我の手当てを……!」


「大丈夫よ。それより任務が終わったのだからさっさとこの場を立ち去り、隊長に報告しないと……」




そう笑いながらこれからやらなければならないことを口にし、部下に伝える憂。怪我に慌てることなく、冷静さを欠けずに部下へ指示するその姿は部下たち全員にこんな死神になりたい、と思わせるものだった。








「…以上が報告です」


「そうか、任務ご苦労だった。……それよりも、憂、その怪我はどうしたのだ?」





直ぐ様戻った憂は執務室で白哉に任務内容の報告について告げる。……報告内容に関しては大して気にする点はなかったが、行く前にはなかった憂の腕に巻かれた包帯が視界に入った。





「少々怪我を……あ、けれど朽木隊長がご心配なさるものでは…!」


「憂」





白哉に名前を呼ばれ、横目で見られると、憂は申し訳なさそうに顔を俯かせながら答えた。





「…ごめんなさい、白哉…でも、ほんと大した怪我じゃないから…安心して?」


「…暫し憂は休め」


「え…」


「傷が癒えるまで隊舎へ来ずともよい」


「だ、大丈夫よ。そこまでしなくてもすぐに治る怪我だから!」





頑なな白哉を納得させるまで、憂はだいぶ時間をかけて説得を続けたのだった。