コンプレックス

「………………」


「…おいベポ」


「アイアイ、キャプテン?」


「…ラビはあんなところで一体何してやがる?」





二人の視線の先にはしょぼん、と落ち込んでいるラビ。クルー達が集まるダイニングの隅で三角座りをし、顔を埋めていた。





「…おい、」


「………ろー…」


「………どうした?」





声を掛けてみると、ラビの瞳は涙で潤んでいた。





「…ど、しよ…ローっ!わたし、もう……」


「…何があった?」


「〜っやだ、言いたくない…!」


「言わねぇとわかんねぇだろ」





ローの意見も最もなわけで……ラビは恐る恐る口を開いた。





「…〜っちゃったの…」


「は?」


「だから!!っ…太っちゃったの…!!もう、こんなこと何回も言わせないでよっ!!」


「…下らねぇ」


「下らなくないっ!大事なことだよっ」





下らない、の一言で片付けてしまうローを一喝するラビ。当の本人にとっては重大なことなのである。





「ローは太りにくいからそんなこと言えるんだよ…!」


「…男は元々体が筋肉質で太りにくいんだよ」


「うぅ…羨ましい…!」





ローのことを本気で羨ましがるラビ。…しかし、彼女自身全くと言っていいほど決して太っているようには見えない。





「お前の体に脂肪が集中してんのは胸だ、安心しろ」


「何それ、全然安心出来ないよっ!」


「いいだろ、別に。巨乳のどこが嫌だって言うんだ?」


「そ、そんなの…全部…だよ」





巨乳、だとはっきり言われたことに恥ずかしそうにしながらもローの質問に答えるラビ。そしてはぁ〜…と情けない溜息を零しながら言葉を続けた。





「…重くて肩凝るし、何着てもなんか似合わないし、厭らしく見えるし……何より踊るのに邪魔!」


「お前はいつもそれだな」


「そりゃ、そうだよ〜っ踊ることが私の全てなんだもんっ」





踊りの話になるとさっきまで酷い落ち込みようが嘘のようにぱぁぁ…と目を輝かせて話を続ける。そんな彼女の単純さにローは苦笑した。





「…うぅ、けどやっぱダイエットしなきゃいけないよね…踊れなくなったりしたらやだし…」


「やめとけ、垂れるぞ」


「?何が?」


「胸」


「〜っローの馬鹿ぁ!!」





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(…もう、人が気にしてることを…!)