お似合いの二人
「皆さーん、今日ももクラウン・ラビの舞い楽しんで行ってくださーいっ」
そんなラビの明るい声がとある港町に響き渡った。と言うのも、今から彼女が町中で舞いを披露するからであった。
この町だけではなく、船が停まる度々でこうやって町の人々に舞いを披露して来た。
ぺこ、と頭を下げ、周りの客達に挨拶したのと同時に彼女の舞いは始まった。
たまたま通りかかった人でもついその場に足を止めてしまう。少女の楽しげに歌い、踊る姿にはどこか人を惹きつけるものがある。
彼女のよく響く歌に聴き惚れ、どこか華がある舞いに見入る人がほとんどだ。…例えその場所が何気ない町中の路上であろうが、彼女が舞い始めたらそこは一つのステージへと変貌してしまう。
そんなラビの姿を、遠目からではあるが、彼女の船の船長はジッと眺めていた。
「はぁっ…っ皆様!今日は私の舞いを、観て来てくださり…その、ありがとうございました…っ!」
舞いが終わると未だ乱れる息遣いと同時にまた明るい彼女の声が辺りに響き渡った。そして、その場で彼女の披露を観てくれていた観客からはわああ…!と歓声が沸き上がったのと同時に彼女へのチップが飛び舞う。
ラビはそれを嬉しそうに受け取ったのだった。
「……わぁ…!今回はほんと沢山貰えたな……5万ベリーはあるかな…?」
「こりゃまた随分と稼いだじゃねーか、ラビ」
「……あ、ロー…!」
未だ踊り子姿のラビを見下ろしながら話しかけるロー。そんな彼に満悦の笑みを向けながら、ラビは観客から貰ったチップを彼に見せつけた。
「見て見て!こんなに貰えるだなんて思わなかったよ!」
「酒の一杯ぐらいは奢ってもらえるんだろうな?」
「もー、仕方ないな〜一杯だけだよ?」
ローの言葉にクスクスと嬉しそうに笑いながら、ラビは彼の腕に自分の腕を回したのだった。
「残りの金はどうするつもりだ?」
「んー…そだな…新しい衣装用の布でも買おうかな?」
「ハッ、色気ねぇな」
「いいのーっ!私にとって、何よりも踊ることが最優先なんだもんー!」
そんな何気ない会話をしながら二人は酒場へと向かったのだった。
お似合いの二人
(キャプテンとラビ、さっさとくっついちまえばいいのによ〜)
(駄目駄目、ラビが恋愛に無関心すぎっから)
(キャプテンも苦労人だな…)