スパルタです

「この馬鹿」


「あいたっ…!…グーで叩かなくても…!」


「これでもわかんねェ奴には…やっぱり体の一部分ずつ解体してやったって…」


「っ!?ご、ごめんなさいぃっ!!」




キッドとのこと以外、自分の身に起きたことを全てローに告げると拳で頭を叩かれたラビ。
それに文句を口ずさむ…が、彼の口から軽々と出た"解体"の二文字にビビらざるを得ないラビ。直ぐ様ローへと謝罪の言葉を繰り返したのだった。




「…まぁまぁキャプテン、そのへんにしてあげなよ。ラビ、可哀想」


「べ、ベポ…!!」


「お前らはラビに甘すぎだ」


「キャプテンが厳しいからちゃんとバランスとれてていいんじゃない?」





二人の間に入って、止めに入るのはハートの海賊船でのマスコットキャラとも言えるベポだった。彼からの助け船に、ラビの半泣きだった顔が一瞬で満悦の笑みへと変貌した。





「第一、まだ話は終わってねェ」


「わわっ…な、何?」


「ラビお前…まだ話してねェことがあるんじゃねェのか?」


「!」





ローのその一言に、ラビの顔色が真っ青になった。






「ラビの顔ってば忙しいね。赤くなったかと思えばいきなり青白くなったりするから…」


「な、何も隠してなんかないよ…!嫌だな〜ローってば…」


「おかしいな、俺はまだ話してねェことがあるって言っただけだ。隠すどうのこうのなんて一言も言ってねェんだけど、なぁ?」


「っ!!」





ベポの呑気そうな発言など最早脳裏にないラビ。だらだらと冷や汗が流れ落ちていくのがよくわかる。…何より、ローの瞳が少しも笑っていない。…こういうときのローは何よりも誰よりも恐ろしいのだ。




「首、繋がってるままでいたくねェか?」


「〜っローの鬼ぃ!」


「言ったろ?洗い浚い吐いてもらうって」


「…言ったら、怒んない?」


「さぁな」


「じゃあやっぱ言いたくな…」




…と、ローの言葉に首を振り、話すのを断わろうとしたラビだったが…




「拒否権なんて元からないに決まってんだろ…それともやっぱ解体…」


「言うっ言います!だから刀は閉まってよぅ!!」





やはりローに適うはずもなく…ラビは恐る恐る彼の表情を伺いながら、キッドの話をし始めたのだった。





「……ってわけで〜……」


「……………」


「…む、無言っ!?」


「…つまりお前は、ユースタス屋のされるがままだったと言うわけか…」


「そ、そんな私ばっか悪いみたいな言い方やめてよ!相手が相手だよ?…私みたいなのが反論したって適うような相手じゃ……」





自信なさげに話すラビに、ローはこれ以上彼女に呆れたときなんてないだろう…などと思いながら彼女を自分の方へ来るようひらひらと手を振る。
そしてちょこちょことローに警戒しつつも近寄るラビ。そこからは、一瞬の出来事だった。




「わわっ!?な、何するの!」


「決まってんだろ?…調教だ」


「ちょ、調教〜!?」




腕を引っ張られ、ローの膝の上へと乗っかる体制となったラビ。"調教"などとまた物騒な言葉を使うローに驚かずにはいられない。





「人の女に噛み付いておきながら、キスの一つも出来ねェなどと舐められたのは性に合わねェからな」


「や…私は……っ」


「何より、ラビに他の男が触れたかと思うと虫酸が走る」


「!!」


「喜べ、直々に俺が一から仕込んでやるんだからな」


「た、頼んでなっ…んーっ!?」




スパルタです




(い、息続かないんですけどっ…!)
(ハッ、知るか)
(!)
(俺以外の野郎に気安く触らせた罰だ)
(…死因がキスとか嫌っ…!)



彼なりの嫉妬です。