スタイル維持の秘訣とは
「…うー思い切り歌いたい…踊りたいよぅー…!!」
「ダメだってラビ。また人攫いに目付けられちゃうよ?」
「…うー…」
ベポに背負われながら町中を通るラビ。何故彼女が背負われているのかと言うと、先刻のローからの仕打ちのせいだった。
「…あんなキスくらいで腰抜けるとはな」
「…っ!わ、私はローと違って経験豊富じゃないの!!…だって私はずっと一途に歌うことに夢中だったんだもん!」
「ただガキなだけだろ」
「…ベポーっ!!ローがいじめるっ!!」
「アイアイ…わかったから暴れないでラビ」
ローの言葉に膨れるラビ。そんな彼女を宥め、二人の間に入っているベポが一番大変だろう。
「…いい加減これでも食って機嫌直せ」
「……またそうやって子供扱いする…!」
場所は変わって、シャボンディ諸島のとあるレストラン。大量の食事を机の上に並べられ、それを前にラビは席をついていて、ローはラビの正面に腰を下ろしている。
「……大体こんなにいっぱい食べたらまた太っちゃうよ!ローの馬鹿!女心わかってない!」
「お前みたいに歌と踊りのことしか脳にない奴に言われたくはねェな」
「…そんなこと!」
ローに言い返そうとしたラビだったが……彼女のお腹からグー…と情けない音が聞こえた。
「痩せ我慢してねェで食え」
「……ローはそう簡単に太らないからそう言えるんだよ…!」
「別にお前だって太ってねェだろ。ただ体内の脂肪が全部胸に集中してるだけで」
「っ!!ひ、人が気にしてることを………っ」
と、顔を真っ赤にしてまた反論しようとしたその時だった。
『おいピザはまだかー!?なくなっちまうだろ!!ピザおーかーわーりっ!!』
ラビ達のいるすぐ近くから一人の女性の声が響いた。そして店内のウェイター達は忙しそうに動き回っている。
「……どうしたの?」
「…船長、あれって……」
「…あぁ。"大食らいボニー"だな」
「…"大食らいボニー"…?」
ラビ以外の船員たちはその女性の正体を知っているみたいで…ローはと言うと意味深に笑みを浮かべているだけだ。
「俺らと同じ、賞金首だ。…額は確か1億4000万ベリー」
「…!…あんな可愛いのに……!?」
ローの口から告げられた事実に驚かずにはいられないラビ。…人は見かけによらないとはこのことだ。
「…っ!」
「あ、ちょっとラビ!どこ行くの!?」
何を思ったのか…ラビは席を立ち、ボニーの方へ近づいて行く。ベポは慌てて止めようとしたが…時、既に遅し。
「あのっ!」
「…あぁ?なんだテメー?こっちは飯の最中…」
「どうやったらそのスタイル維持できますか!?」
「…………は?」
キラキラ目を輝かせながらボニーにそう問うラビ。ボニーからしてみれば何が何だかよくわからない。いきなり見かけない少女が自分に「スタイル維持の秘訣は!?」などと聞いてきたら不審に思うのは当然のことだが……
「今すぐあの馬鹿を呼び戻して来い」
「アイアイ…」
ローがベポにラビを呼び戻すよう命令したのは言うまでもない。
スタイル維持の秘訣とは
(うわー…髪も綺麗!肌も荒れてない!!)
(慣れ慣れしく触んな!つかお前誰だぁ!?)
(…やばいキャプテン。ラビが変人に……)
(今更だろ)