衝撃の影響で

「ろ、ロー…!」


「…随分うちのを可愛がってくれたみてェじゃねーか。お礼してやんねェとな」


「ハッ、んなもん興味ねェな!」


「そう遠慮すんなよ」





バチバチ…と火花のぶつかり合う音が響いて来そうだ。目の前で億の懸賞金のかかった超新星海賊同士が今にも戦闘しようとしているのだから当然と言えば当然である。





「ロー!やめとこうよっ!」


「俺に命令すんな」


「お願いーっ!だってここ敵船だよ!?私達どう考えても不利だってばぁ!」


「んなもん、ユースタス屋を倒しちまえば意味なくなる」


「いやいやいやっ」





戦わないで逃げればいいじゃない!と言いたいラビだったが、それも言えずに終わる。彼女も一応海賊の端くれである。
売られた喧嘩を買わずして、海賊を名乗っていられないと言うのがローの考えなのだろう、と。
だが、ラビにしてみれば生死の問題である。ローのように強いわけでもなければ、策を企てる賢い頭でもない。ただ歌って踊ることしか脳にない、ただの女の子に過ぎないのだから。
だが、そういう普通な少女な分、一般の"普通な"考えもちゃんと持っているわけで。





「ロー、帰ろ?きっとベポやペンギンが待ちくたびれてるよっ」


「ハッ、そう易々と帰すかよ。ラビ、テメーはもううちのクルーだぜ?ククク…」


「なんでっ!!」


「んなもん決まってんだろ?欲しいもんは奪ってでも手に入れる。それが海賊だ」


「そんなに消されたいか…ユースタス屋」


「それはこっちの台詞だトラファルガー!」





…やばい、嫌な雰囲気になってきた。どうこの場を回避したらいいのかわからない…!!





「や、やめなよ二人ともっ」


「「うるせェ、お前は黙ってろ!」」


「っわ!?」





なんとか二人を制止しようと入ったラビだったが、逆に二人に飛ばされてしまう。そしてその拍子に、





「…いだっ!?」


「…ラビ!?」





思い切り船の壁へと頭をぶつけてしまった。クラクラしつつもその痛みに耐え切れず、ラビは意識を飛ばしてしまったのだった。次にラビが意識を取り戻したときには、ハートの海賊団の船の中にいた。





「…ここは…?」


「あっ!ようやく気がついた?ラビ」


「…っ」


「もうキャプテンにも困ったものだよね〜ラビのことになると冷静さを失うって言うかさ〜」


「…………」


「…?どしたの、ラビ?まだ頭痛い?」


「…あの、白くまさんはなんで話せるの?」


「え」


「…ラビって…誰?私のこと…?」





衝撃の影響で




(きゃ、キャプテンーっどうしよう!?ラビの様子が変ーっ)
(アイツが変なのはいつものことだろ)
(そ、そういう意味じゃなくて…っ!)


(…わたし、名前なんだっけ?ここは、どこだろ…?何も思い出せないようっ…)