僕と君が初めて会ったとき、僕は初めて神様に感謝したよ
琥珀を拾ったんは、ほんの気まぐれ。
別にあのくらいの子、流魂街には仰山おったから何ら珍しいもんでもなかった。
せやけど、そんな僕に琥珀は日に日に懐いてって。
なーんも知らん純な琥珀に色々覚えさせていって。
『ぎ、ん…ちゃん?』
『…!…そうや、ギンや。僕の名前覚えたん?』
『ギン、ちゃん…ギ、ンちゃん……ギンちゃんっ…!』
何回も繰り返し僕の名前を呼び、練習する姿に愛しさを感じた。
『ええか?君の名前は琥珀やで?僕が琥珀って呼んだらちゃんと返事せなあかんよ』
『琥珀…名前?』
『そうや。ほな練習な。…琥珀ー』
『あーいっ!』
僕がつけてあげた琥珀の名前を呼べば、いつも嬉しそうに返事をする姿が可愛くて、胸が苦しくなった。
『ギンちゃーん!』
いつの間にか、琥珀が何よりも大事な存在になっていた。
せやから、僕は決めたんや。この小さくてか弱い琥珀を守るためなら…僕は何にでもなるって。
「はぁっはぁっ…!!」
藍染の胸の中心にあった崩玉を奪い取り、激昂する奴から逃げた。掌には奪い取った崩玉がちゃんとあった。
これで、終わりや…終わり。
そうギンがほんの少し油断した瞬間だった。
「…!?なんやの、これは…!!」
いきなり掌の崩玉がゴォ…と音を立てて、全てを吸いこもうとしだしたではないか。
「……私の勝ちだ、ギン」
「っ!!」
奴から逃げたはずなのに、すでに藍染は姿を変えて、背後にいた。
ああ、僕の負けや…と自らの敗北を脳裏にちらつかせた瞬間だった。
「やめてぇええ!!」
大好きな少女の叫び声が響いた瞬間、嫌な音とともに真っ赤な血が辺りを散らした。