清掃タイム
結局、あの後トシたちによって強制送還され…こっぴどく注意されました。





「アイツは桂小太郎、攘夷浪志の一人だ!そんな奴と一緒につるんで仲を育んでんじゃねェよ!!」


「そうでさァ。俺の可愛い菜子がエリザベスになってしまいまさァ」


「万事屋もろくな連中じゃないんだし、奴らには気を付けてくれよ?」


「…はい、気を付けます……」




(…そうは言っても、二人は昔からの仲だし……関わらないことの方がないんだよね。
ま、ヅラと敵対してる真撰組のみんなに言えないけど…)





「菜子ちゃん、隊士の皆さんの部屋を掃除してきてちょーだい?」


「あ、はい、わかりました!」





…と、女将さんに言われたため、菜子は掃除用具を用いて隊士たちの部屋を掃除することとなった。





「近藤さん、失礼しますよ?」


「ん?あぁ、菜子ちゃんか〜入ってくれ〜!!」




部屋の主から返事が返ってきたのを確認すると、部屋を仕切る襖を開けた。





「どうしたのかね?」


「部屋の掃除をさせてもらいますね!」


「おぉ〜すまないなぁ!ハハハ」




部屋を簡単に見渡してみると……う〜ん、やっぱ男の部屋と言うだけあって少し散らかし気味だ。





「…って!これは何なんですか!?」




菜子が目に入ったのは………綺麗な女性一人の写真の山。しかもその写真は全て隠し撮りで撮られたみたいだ。……や、それどころかその人の持ち物みたいなものも数々置かれているではないか。





「ん?あ〜見ちゃったかぁ〜?これはね〜お妙さんっ!俺のマイスウィートハニィーさっ」




キラリ、と近藤さんは歯を輝かせながらウインクをしてきたが……どう交わせばいいのかわからず、つい固まってしまう。




「……けど、まぁ、綺麗な人ですよね。新八君のお姉さん」




優しげに笑っている写真の彼女は確かに美人で、羨ましいぐらいだ。




「お妙さんはね〜ちょーっと照れ屋さんでいっつも僕にボロクソ言ったり〜殴ったり〜蹴ったり〜薙刀投げてきたり〜」


「な、薙刀……ですかぁ!?」




(や、それもう照れ屋とか可愛いものじゃないよっ!!本気で殺す気満々なんじゃないの、それ!!)




「俺もお妙さんこーんなに綺麗だから、ついつい心配で〜影からコソコソと見守りたいんだよねえ〜。毎日してるんだけど〜ウホホ……」




(……やっぱり近藤さん…ストーカーだったんですね……)





菜子は心の中でそっと本音を呟いた。





「だから今日はそんなミイラ男になっちゃってるんですね……」


「あ、ハハハ……いてぇ!!」



(見ているこっちが痛々しいです、近藤さん)




近藤さんの部屋の簡単な掃除を済ませると、次は鬼の副長トシの部屋へと足を進めた。





「トシ〜!その、中に入ってもいいかな?」


「ん、あぁ……」




素っ気ない返事が彼らしい、なんて思いながらトシの部屋へと足を踏み入れた。





「どーした?何の用だ?」


「部屋の掃除に来たの。今、いい?」


「…あー……なら机の上にある書類等は一切触れんじゃねェぞ?」


「了解です」





トシの部屋は、机の上に散らばっている書類等以外は綺麗に整頓されている。部屋に煙草の匂いがついてしまっているのも彼の部屋らしい。




「もー…すごい量の吸殻!持っていくよ?」


「…あぁ、悪ィな」




…そして今も現在進行形でスパスパと吸っているトシに菜子は小さく溜息を零す。





「大概にしておかないと体に悪いよ?たたでさえトシってばコレステロール摂取しすぎなんだから……」


「コレステロール?」


「マヨネーズのこと!あんなに毎日毎日大量に取ってたら体に毒よ?」


「バーカ、あんなもん普通じゃねェか」


「…普通じゃないから言ってるんだよ、トシ…」





トシの部屋の掃除も無事終わり、次は一番隊、隊長の総悟の部屋。





「総悟〜部屋掃除に来たんだけどいーい?」


「あいあいさァ〜」




ガラッと開けると、彼専用のアイマスクを身につけている総悟の姿があった。





「あ、ごめん……寝てるの邪魔しちゃった?」


「そんなんじゃねェさァ。気にすんな」




…ふと、気が付いた。あの日から……総悟と一緒に桜を見に行って、キス…しちゃったあの日から二人だけで話すだなんて久々だった気がする。



(やだ……!今更だけど緊張してきちゃった…!)




「菜子〜」


「な、何?」


「緊張してるみたいですねィ」


「っ!?」





図星を指され、言葉が上手く出てこない菜子。そんな困った様子を見て、総悟にサディストのスイッチが入らないわけがなかった。





「わかりやすいですねィ、菜子は……」


「かっからかわないでって言うか離れて!」




……気が付けば、総悟に攻められていて逃げ道が塞がれていた。





「なんででさァ」


「な、なんでって……掃除、出来ないじゃないっ……」


「へェ〜……そういう割には、顔…真っ赤になってやすぜィ?何か期待してやすかィ?」

「そ、そんなんじゃ……!あ、後で掃除しに来ますっ!!」





羞恥心を煽られて、これ以上耐えられなくなった菜子は必死で総悟の部屋を逃げ出したのだった。その様子を、ニヤニヤと笑いながら総悟が眺めていたのは言うまでもない。
総悟が部屋にいないときを狙って掃除しに行こう……なんて考えていると監察、山崎の部屋の前に着いた。





「山崎君、掃除しに来たんだけど今いいかな?」


「あ、はーい!どーぞ!」





彼から返事が返って来たのを確認すると、部屋へと足を踏み入れた。目に入ったものはただひとつ。





「……すごい量のラケット…、だね……これ全部ミントンの?」


「あ、はいっそうっス!」





部屋にはズラリと並ばれたラケットばかり。それについ、圧倒されてしまう菜子。





「や、やっぱミントン大好きなんだね〜」


「いや〜よく副長にラケット折られて駄目にされちゃうんだよね〜。けど一日でも練習し忘れると腕落ちるしね」


「へ、へぇ……」





そういえば、よくゴミ出しに行くとき折られたミントンのラケットが混ざっていたっけ……あれ、全部山崎君のだったんだ…そして全部トシに折られていたんだね。

皆の部屋を回ってわかったこと。
真撰組にはやっぱりまともな人は一人もいないっと言うことでした。
それに少し悲しくなってしまいました。あれ、作文?


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