会いたくて、愛たくて
「…ギンちゃん、頭…痛い…」
「そら、そうなるやろなぁ…昨日あれだけ酔っ払っとったんさかい…」




顔色を真っ青にしながら頭を押さえている琥珀を心配そうに顔を覗くギン。昨日のあの酔っ払いぶりからしてこうなることは予想していたが、幼い身で二日酔いに苦しむことになってしまった琥珀が気になってならない。





「四番隊が処方した薬飲むか?」
「…ううん、大丈夫…それより、お仕事…行かなきゃ…」
「あかんあかん!そない状態の琥珀に仕事なんかさせられへんわ」





むくっとベッドから体を起こし、よろよろと隊舎へ向かう準備を始めようとする琥珀を慌てて止めるギン。起き上げた体を再び寝かせつけ、布団を掛けてやる。




「…だけど、ギンちゃん」
「辛いんやろ?せやったら今日は大事を取って休んどき」
「…でも、」
「かまへんって。…ほんまは琥珀がおらんと僕が寂しゅうてあかんのやけど…」
「……え?」





ぼそっとギンが呟いた言葉は琥珀には上手く聞き取れなかったが…ギンは何でもないでと首を振り、軽く流してしまう。





「ほな、今日はなるべく早めに帰ってくるさかい大人しゅうしとくんやで?」
「…うん」
「そない寂しそうな顔されると、僕も行きたくなくなるやんか…」




俯いて視線を下げる琥珀の表情に、堪らなく愛しさを感じるギン。そして柔らかい彼女の頬を軽くつついて、そっと彼女の額に口付ける。



「帰りに琥珀の好物のあんみつ、買うてくるさかい」
「…うんっ、いってらっしゃい…ギンちゃん」
「ええ子にな…琥珀」







寂しそうに、けど必死に…見送ろうとする琥珀の姿が愛らしくて…思わず、早く今日一日が過ぎることを願った。



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