ただいま、おかえり
「ギンちゃん、ただいまー!」
「〜っ琥珀…!!」
「わっ…ぎ、ギンちゃん…!」
現世から無事戻った琥珀を穿界門にて出迎えるギン。一週間ぶりに彼女を強く抱きしめる。自分の腕の中にいる愛しい存在が無事自分のもとに戻って来てくれたことが嬉しくてたまらず、抱き締めずにはいられなかった。
「ぎ、ギンちゃん…琥珀、苦しいよ…っ」
「もう琥珀と離れ離れなんて嫌や〜!二度としとうない…あんな生き地獄や…!」
「…琥珀も、寂しかった…」
ギンに抱きしめられ、少し苦しそうに表情を歪ませた琥珀だったが、少しギンの力が弱まったことから次は琥珀の方がギンにしがみつくこととなった。
「もうほんま…琥珀が無事で……!…琥珀、これどないしたん?」
「…へ…?あ…この傷は…ちょっと、攻撃当たっちゃって……」
琥珀の頬に小さな傷がギンの視界に入る。その傷を優しく指でなぞりながら琥珀に尋ねると、彼女自身もそのことに忘れていたようで思い出したかのように話始めた。
「ほな今から四番隊長さんに診てもらわんとあかんね」
「けど琥珀、自分で治したからもう痛くないよ…?」
「あかんて、琥珀の可愛らしい顔に傷を残すわけにはいかんやろ?」
「…?大丈夫だよ、だってこんなに小さい…」
「僕が嫌なんや」
死神なのだから戦場に立たねばならないことは百も承知。だが、琥珀には傷一つ残したくない。
「琥珀に怪我なんて似合わへんからなぁ…綺麗に治してもらわんとあかんね」
「…ごめんね、ギンちゃん…ギンちゃん、忙しいのに……」
「そない言葉はいらんて。それより、もっと琥珀がちゃんとおるんやって、僕に思わせて」
ギンの言葉に、琥珀は一瞬驚いた表情を見せたが…それはすぐに消える。そして、いつもの彼女の笑顔が蘇る。
「…ギンちゃん、ただいま…」
「…おかえり、琥珀」
「…琥珀ね、ずっとね……ギンちゃんが、恋しかったよ」
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