色仕掛けは不要

「うーん…そうじゃないのよね〜」


「…乱ちゃん?」


「もっとこの辺りをこうして…そうそう、そんな感じ」


「…?ふぅん」






ギンが隊首会の集まりに出ていることをいいことに、乱菊は琥珀を我がもの顔で接している。琥珀は琥珀で、もとより持つ素直な性格から受け身体制で、乱菊のされるがままである。





「やーんっいい感じよ、琥珀!やっぱ女の子はこうじゃないと!」


「こう?」


「ふふふ、それじゃあ口うるさいギンがいない間にちゃちゃっと写真を撮って〜…」


「只今帰ったで〜琥珀」


「あ、ギンちゃんっ!おかえりなさいっ!!」





ちょうどそのとき、ギンが隊首会から戻って来た。それを嬉しそうに出迎えた琥珀だったのだが、ギンはそんな彼女の姿を見て目を見開かせた。






「な、何て格好してるん琥珀!!」


「へ?…死覇装、だよ?」





確かに琥珀が言うとおり、琥珀はいつものように死覇装を身に付けているものの…ギンが指摘したのは、その着こなし方である。胸元は無駄に開いていて、真っ白な肌が露出され、髪も珍しく一つに括ってまるでうなじを強調しているようだ。






「琥珀にこない格好させるんは……乱菊!!」


「あーあ、バレちゃった」


「乱菊と違って琥珀は純粋なんやで!?こない格好させたらあかんわ!」


「だって、今女性死神協会で死覇装をセクシーに着こなす講座が開かれてるのよ」


「もう、ほんま何なんや女性死神協会て!」


「まぁ教えてるのは私なんだけど」


「そやろなぁ!」





そんなことをわざわざ講座を開いて教えられるのは乱菊しかいないだろう。むしろ適任である。…そんなものを開く必要などさらさらないのだが。
女性死神協会が本当に恐ろしく感じる。






「?ギンちゃん、乱ちゃん怒っちゃ駄目だよ…?乱ちゃんは、琥珀に正しい死覇装の着方を教えてくれてね…」


「〜っ乱菊!!琥珀に違うた着方教えるんやめ!」


「はぁ、せっかくまた儲け話になるかもって思ったのに。最近現世で服を買いすぎて金欠なのよね〜…」


「乱菊!!」


「嘘嘘っごめんってば!」


「???」






乱菊とギンのやり取りに、琥珀はただただ首を傾げるばかりであった。

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